世界一寒い村「オイミャコン」の、ありふれた日常風景
業務用冷蔵庫より、はるかに寒い世界。ロシア連邦東部サハ共和国の首都ヤクーツクは、世界でもっとも寒い大都市だと言われてます。では世界一寒い村はどこにあるかというと、さらに内陸に位置するオイミャコン村。1月の平均気温が-50℃で、過去には-72℃を記録したこともあるというほどの寒さです。
その寒さとは、一体どれほどのものなのでしょう。そこを旅したフォトグラファーが撮影した、ヤクーツクとオイミャコンのありふれた日常をご紹介します。
いざ、オイミャコン村へ
ドアを開けると、目に見えるほど冷気が一緒に入ってくる。
オイミャコン村へと続く、唯一の道。
うかつに「外に出したまま」にはできない。
ヤクーツクやオイミャコン村では野菜が育たないため、主食は肉や魚。露地売りしていても、常に天然のフリージングがされている、新鮮なまま。
撮影する指が凍結する世界
これらの写真は、ニュージーランドに住む旅行写真家エイモス・チャップルさんによるもの。
「世界で一番寒い」という言葉に魅力を感じ、村を訪ねたといいます。初日の気温は、-52℃。寒さのあまり、フォーカスやズームリングが凍り付き、撮影2時間でカメラが故障してしまったそう。
「村全体の様子を撮ろうとラジオの電波塔に上ったんだけど、あまりの寒さに手が震えてシャッターが押せなかったんだ。だから手袋を脱いでなんとか撮ったんだけど、今度は親指が凍っちゃって…。手をポケットに突っ込んですぐにゲストハウスに戻ったんだけど、2週間くらい親指の皮が日焼けしたみたいにむけちゃっていたよ…」
牛舎にも暖房がついている。
トイレは外にある。地面が凍って配管できないからだとか。
たぶん、窓は開かない。
村にひとつしかない、日用洋品店。
川は、当然凍っている。
バスを待つ、女性。
村には村の
フツーの暮らしがある
フォトグラファーのチャップルさんが、ヤクーツクの街とオイミャコン村で撮影したのは2日間。
その間、極寒には悩まされたものの、ヤクーツクの街にはショッピングモールやレストランやバーなどが立ち並び、ロシアの他の都市とあまり変わらないという印象だったそう。
ただし、
「バーをはしごするときは、ビールを手に持ったまま外に出ないこと。次のバーに着くまでには中身が凍ってしまうからね」