懸命に働くロボットたち。ショートフィルム『悪循環』のメッセージとは?
単調な仕事、のしかかる負担、過重労働。そして、その先に待ち受けていることとは…。
映像クリエーターMichael Marczewski氏が監督した、3分ほどのショートフィルム「Vicious Cycle(悪循環)」。キュートなロボットが繰り広げるそのショッキングな内容に、思わず考えさせられてしまいます。
単調に働き続ける
ロボット
四角い顔に丸い目、胸から覗く歯車が可愛らしいロボットたち。彼らは機械仕掛けによって、退屈な仕事をひたすら繰り返します。
労働はどんどん、加速する。
最初はのんびりと働いていたロボットたちですが、慣れてくると、どんどん早い動きを強いられていきます。
そして、過重労働の先には…
そのあまりのスピードに、ロボットたちはやがて限界を迎えます。四肢はちぎれ、部品は吹き飛ばされ、こぼれる赤いビーズは、まるで血のようです。
壊れていった
ロボットたちの末路
過酷な労働のなかで壊れていったロボットたちは、拍子抜けするほどすぐに新しいものに取り替えられ、同じような労働が再び始まります。
こんな働き方、正しいの?
「この映像は、観る人によって色んな捉え方ができるはず。たとえば、人々がどんなに単調でつまらない仕事をしていて、酷使されているか。そしてどれほど簡単に“リプレイス”されてしまうのか。このロボットたちはメカニズムの奴隷で、仕組みがないとただの役立たずなのではないか。人生のどのタイミングで観るかによっても、感じることは変わってくるかもしれない。とても興味深いことだと思うんだ」
そう語るのは、監督のMichael Marczewski氏。
チャーリー・チャップリンが、映画『モダン・タイムス』で、資本主義の進展と工業化の果てに人間が疎外されていく社会を風刺したのが、1936年のこと。
それから80年以上が経っているにも関わらず、私たちはこの根本的な問題に対する答えを、未だ見つけられずにいるのかもしれません。
Licensed material used with permission by Michael Marczewski