アリの子育ては不眠不休!?「この子のためなら、なんでもする」
「アリ」と言えば、働き者の代表格のようなイメージ。自分よりずっと大きな虫やエサを運ぶ、小さな体のすごいヤツ。そんな、童話でも働き者として表現されるアリですが、じつは子育ても驚くほどパワフルだということがわかったそうです。
東京大学大学院・総合文化研究科が出した研究結果によると、幼い子どものためならば、24時間休むこともなく活動し続ける、ということが明らかになったのだとか。
なんとか交代でお世話できないものか…、とも思いますが、さっそくその内容を簡単に紹介しましょう。
子どもの前でだけ発揮される
すごいパワー
そもそもアリも人間や動物と同じで、朝起きて夜休むという生活を送っているそうですが、それがいざ子育てとなると、休む間もなく働き続けるそうです。
これは、世話に手間のかかる卵と幼虫、あまり手間のかからないサナギをそれぞれトゲオオハリアリの働きアリとペアにさせて観察したことから発見したとのこと。
生き残るために
全力をつくす
マユに包まれたサナギと同居しているときはしっかりガードされているので、普段通り日中のみ動いて夜は休んでいるよう。それが、卵や生まれたばかりの幼虫を目の前にすると今までの生活リズムを変えて、子ども達のために働き出します。
ノンストップで働き続ける間は、エサを与えたりカビや病原菌から守っているようで、それにより生存率を高めていると考えられるのだとか。
子どもの発育段階に分けて環境を変える、ということは、今回の研究で初めてわかったことだと言います。
今後は、人のように不眠不休を続けると睡眠障害のような病気になるのか。なぜ常に動き続けられるのか、などのメカニズムを研究していくようです。
Reference:東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部