最初は全然好きになれなかった「ニューヨーク」が、私に教えてくれたこと。
4月からの新生活で、慣れ親しんだ街を離れることになってしまった人も多いはず。
「Elite Daily」のライターSarah Coleさんは、26歳のときに故郷のロサンゼルスからニューヨークへ引っ越したそうです。気候もまったく違い、土地勘もなく、知り合いもいない…そんなニューヨークを長く好きになれなかったと語る、Sarahさん。
眠らない街で
生活をはじめたころ。
26歳のとき、私は故郷のLAからNYに引っ越してきたの。今から3年前になるわ。
理由は、好きな人がNYに住んでいたから。それだけ。彼は別に私のことが好きなわけじゃなかったんだけどね。彼のことを追いかけて「眠らない街」にやってきたの。
NYで暮らし始めたころ、本当に憂鬱だった。だって自分の家がどこにあるのかわからなくて2時間も泣きながら街をさまよったこともあったし、NYとLAじゃ気候も全然違う。友だちがいなかったから、ホームシックにもなった。
そして、好きだった人との関係もあっという間に終わってしまったわ。
彼は私のことを愛してはくれなかったけど、それでも唯一の支えだったの。それがなくなってしまって、本当に心細くて悲しかったのをよく覚えてる。
NYでの生活にも
慣れてきたけれど…
しばらくしたら、NYの生活にも慣れてきた。ひとりで街を歩けるようになったし、帰り道で迷子になることもなくなったわ。
私のことを大切にしてくれる、新しい恋人にもめぐり会えた。私の話を聞いてくれたり、ひと晩中バーで一緒に踊ってくれたり。彼のおかげで失恋から立ち直って、仕事も毎日こなせるようになったの。
それでも、NYを好きになることは、どうしてもできなかったのよね。去年の冬までは。
ひとつの転機が訪れた。
去年の冬に、私は転職したの。
それまで働いていた職場は週に6日出勤で60時間働かなくてはいけなくて、心も体もすり減っていた。
私は自分の成長のために新しい仕事を選び、それがきっかけで恋人との関係は終わってしまった。NYで初めて私を大切にしてくれた人だったから、本当に寂しくて悲しくて…。それでも新しい仕事は楽しかったわ。
出会う人はみんな優しくて大好きだったし、職場の同僚ともとても仲良くなれた。
生活に余裕が生まれて、やっと私は自分の心と向き合うことができたの。自分の考えや感情を丸ごと受け入れようと決めたら、無理に周りに自分を会わせる必要はないんだって気付いたの。
どこにいても、私は私。
住む街の色に自分を染めようとしてずっと苦しんでいたから、私はいつまでもNYが好きになれなかった。でも、どこで生活していても自分は自分に変わりないんだって思ったら、とても楽になったわ。
住む場所に関係なく、好きなように生きていいの。
それを教えてくれたのが、NYだと思ってる。
この美しくも混沌とした街は、今の私にとってかけがえのない大切な場所。