コンピュータのほうがずっと、私たちが求める「アート」を知っているのかもしれない。
「もしも、データに強いコンピュータと、創造力溢れる人間がコラボしたら、どんなアートが生まれるんだろう?」
ニューヨーク大学の大学院生でプログラマーでもあるアーティストのNicole Heさんは、ふとした疑問から、こんなアートを始めました。
MacBookと
女子大生ニコルのコラボ作品
彼女のプロジェクト内容は、次の通り。
・コンピュータが、インターネット上に溢れる情報を収集して「その日一番ホットなアート」を指示する。・それに従って、ニコルが作品をつくる。
01.
2017/03/25 PM 05:52
こんにちは、人間たち。今日はしとしと雨が降っているね。世界情勢から、今日にピッタリなアートを算出したよ。
アートNo.1490478746
「社会問題に疑問を投げかけるニンジンを作りなさい」
ニンジンに書いてあるのは
「ハチが驚くべき速さで減っている」
ミツバチの減少によって植物が受粉できなくなり、農作物が減ってしまうという社会問題に対するメッセージです。
02.
2017/03/23 AM 11:01
おはよう、人間たち。人生、なるようになるよ。今日この時にふさわしいアートを算定した。
アートNo.1490281305
「真っ黒な『無限』を思い出させてくれるフライパンを作りなさい」
03.
2017/03/30 PM 08:28
やぁ、人間たち。ロジックなんかじゃなくって、僕のイマジネーションを頼ってみてよ。今日のアートはこれだ。
アートNo.1490920092
「浪費を表現したイヤリングを着けなさい」
04.
2017/03/06 PM 07:49
こんばんは、人間たち。曇った夜だね。今の世界に一番のアートを決定した。
アートNo.1488937743
「曲がったブナの木を想起させる、トイレットペーパーの芯をデザインしなさい」
コンピュータのほうが
人間が好きな芸術を
知ってるんじゃないかしら?
人間はアートを生み出すとき、しばしば外部環境からインスピレーションを受けます。戦争や環境問題のような大きなものから、天気が悪くて憂うつだった、というような小さなことまで。
それを、コンピュータのアルゴリズムで再現できないか?むしろデータ収集力に秀でているから、より世間のニーズに一致したものができるんじゃないのか?というアイデアから、今回のプロジェクトが実施されたのでした。
Nicoleさんは、話題のツイートやニュースから情報を集めて「今日作るべきアート」の指示が出されるよう、プログラミングを組んだのだそう。
「コンピュータは、人間にできないことができる。だから彼らはもしかしたら、私たちが求めるアートを、私たち人間よりも知っているんじゃないかなって思ったの」
彼女のWEBサイト「The Best Art」に行くと、他の作品も楽しめますよ。