3/20(日・祝)開幕!「瀬戸内国際芸術祭2016」の楽しみ方
「瀬戸内国際芸術祭」は3年に1度開かれるアートの祭典。第3回目となる今年は、お馴染みとなった直島や豊島など瀬戸内海に浮かぶ12の島と高松港、宇野港周辺を舞台に、春・夏・秋の三期に分けて開催されます。
春会期は3月20日(日・祝)にいよいよ開幕。ここでは、その見所をピックアップして紹介しましょう。
01.
直島
「ベネッセハウス ミュージアム」「家プロジェクト」「地中美術館」などにより、現代アートの聖地として一躍有名になった直島。島内バス、レンタサイクル、徒歩が主な移動手段です。レンタサイクルを利用する際は安全運転で。
ANDO MUSEUM
設計:安藤忠雄
撮影:浅田美浩
外観は古い民家の姿を残していますが、内部は打ちっぱなしのコンクリート空間。照明はなく、自然光とその影が奥行き感を与えます。
直島パヴィリオン
所有者:直島町
設計:藤本壮介建築設計事務所
写真:福田ジン
大小27の島々で構成される直島の「28番目の島」というコンセプトで、宮浦港南側に設置。蜃気楼で海面に浮かんでいるように見える「浮き島」を表現しています。夜間は写真のようにライトアップされ、内部に入ることも可能。
02.
豊島
縄文時代の遺跡が点在する、棚田が広がる豊かな島。海山の幸に恵まれ、食に関わるプロジェクトも始まっています。ここでも、島内バス、レンタサイクル、徒歩が主な移動手段。
豊島八百万ラボ
施設完成イメージ
作家:スプツニ子!
提供:成瀬・猪熊建築設計事務所
アーティスト・スプツニ子!の作品が瀬戸内国際芸術祭に登場。先端科学とアートとのコラボレーションにより、新たな神話を生み出そうとする施設が誕生しました。
あなたが愛するものは、あなたを泣かせもする
(日本フランチャイズ
バージョン)
(日本フランチャイズ
バージョン)
作家:トビアス・レーベルガー
撮影:中村脩
視覚的に大きなインパクトがあるこの空間は、建物自体がまるごと作品となったレストラン。迷彩柄やストライプ、水玉などの模様が天井や床、壁、テーブルに施されています。
島キッチン
作家:安部良
撮影:中村脩
古民家や蔵を改修し、レストランやギャラリーに。地元産の魚や野菜をふんだんに使った料理が、アートと一緒に楽しめます。
03.
女木島
冬の強風に備える石垣「オオテ」に守られた島。路地のある集落をめぐり、鬼ヶ島大洞窟のある山頂を目指しましょう。徒歩が主な移動手段ですが、鬼ヶ島大洞窟へは島内バスが便利。
女根 / めこん
作家:大竹伸朗
撮影:渡邉修
休校中の小学校の中庭で展開。女木島の“女”と、「生命力」の象徴としての“根っこ”、そして本作品が女木島の人々の憩いの場として島に“根付いていくこと”への願いが込められています。瀬戸内国際芸術祭2016では、校舎入口周辺にも“大竹テイスト”が拡張。
不在の存在
作家:レアンドロ・エルリッヒ
撮影:中村脩
「見えないもの」は、足跡だけが歩いていく不思議な石庭。「二重の茶室」にある鏡には、なぜか自分の姿が映りません。
04.
男木島
平地の少ない急傾斜の島。斜面を覆う集落には、迷路のような路地があり、宝物のように作品が点在しています。島内にバスはなく、徒歩が主な移動手段。レンタサイクルも利用できますが、坂や階段が多い集落内での利用は避けるのがベター。
男木島の魂
作家:ジャウメ・プレンサ
撮影:中村脩
船で島に来た人を迎える、半透明の交流館。屋根には男木島から着想を得たワードが、8ヵ国の言葉で刻まれています。
05.
小豆島
海と山、2つの視点から島の魅力を満喫できる豊かな場所に、アジアの作家たちの作品が融け合います。島内ではバス移動が便利。レンタカーや自家用車の乗り入れも可能。
うみのうつわ
作家:長澤伸穂
撮影:高橋公人
テーマは「小豆島の成り立ち」。船の母体(うつわ)が、瀬戸内海のさざ波と呼応し、まるで呼吸しているかのように紺碧色のグラデーションに変化します。
06.
大島
長期プロジェクトが展開される、ハンセン病回復者の国立療養施設がある島。島内は徒歩移動のみ。会期中は高松港インフォメーションセンターにて申込を行ってから乗船してください。
青空水族館
作家:田島征三
撮影:高橋公人
入所者が暮らしていた寮で繰り広げられる海賊と人魚の恋物語。大粒の涙を流し続ける人魚などが観れる、回遊型のインスタレーションです。
07.
犬島
近代化産業遺産である製錬所の煙突がそびえ立つ島。作品と風景を同時に楽しめる、犬島「家プロジェクト」を展開。島内は徒歩移動のみ。
犬島精錬所美術館
作家:柳幸典
撮影:阿野太一
わずか10年で操業を終え、廃墟と化した銅の製錬所が美術館として再生されました。建築は三分一博志。内部には柳幸典のアート作品を設置しています。
08.
沙弥島
万葉の歌、古墳・遺跡などの歴史を感じられる島で作品を展開。沙弥島には陸路でアクセス可能。坂出駅からのシャトルバスが便利です。島内への自家用車の乗り入れは避けてほしいとのこと。
八人九脚
作家:藤本修三
撮影:高橋公人
「橋・島・人びとを繋ぐ」をテーマに8脚の椅子を横方向に連結。前回のナカンダ浜から瀬戸大橋記念公園に移設しています。瀬戸大橋を眺めながら、ゆったり休憩を。
09.
高松港
島々への玄関口となる高松は、瀬戸内国際芸術祭におけるマザーポート。高松港周辺の移動にはレンタサイクルが便利です。
Liminal Air -core-
作家:大巻伸嗣
撮影:中村脩
瀬戸内国際芸術祭の玄関口となる高松港の新たなシンボル。高さ8メートルにおよぶ2本のカラフルな柱は、国際的に活躍するアーティスト大巻伸嗣が制作したもの。
10.
宇野港
本州から直島、豊島、小豆島、高松へと出発する海の玄関口。元気な作品が、旅の門出を祝ってくれます。宇野港ではフェリー乗り場と高速船乗り場が分かれているのでご注意を。宇野港周辺の作品は徒歩移動で巡ることが可能です。
宇野のチヌ
作家:淀川テクニック
撮影:中村脩
第一回目の芸術祭で設置された巨大なチヌは、岡山市にある児島湖で集めたゴミで作られています。前回に引き続き、パーツを取り替えて再登場。
今回は、まもなく開幕となる「春会期」で楽しめる作品の一部を紹介しました。鑑賞には、春・夏・秋の3シーズン有効の「作品鑑賞パスポート」がお得です。美しい瀬戸内を舞台に開催されるアートの祭典を、思う存分満喫してみては?