人間関係は“許さない”ことが大切!?スープストックトーキョー取締役社長×伝説の元トップCAが語る「本領発揮できる自己管理の基礎」
新生活がはじまり、なれない環境のなかタスクが少しづつ増えると同時に、ケアレスミスや人間関係の悩みも増えてくる頃。そろそろ、5月病なんていう言葉が思い浮かぶ季節。しまった!いま一度気を引き締めなければ…と思う前に、対策をしたいもの。
そこで、セルフマネジメントに役立つアドバイスを、“食と生活”を考えるプロである株式会社スープストックトーキョー取締役社長・松尾 真継さんと、世界中のVIPを“接遇”し高い評価を得てきた伝説の元CA・里岡 美津奈さんに聞いてみました。
日商岩井株式会社(現・双日株式会社)、株式会社ファーストリテイリングを経て、株式会社スマイルズの副社長として事業経営全般を担当。Soup Stock Tokyo事業の分社に伴い、株式会社スープストックトーキョー取締役社長に就任。“世の中の体温を上げる”を経営理念に、ブランド力を向上させる経営に力を注いでいる。
全日本空輸株式会社(ANA)で、25年にわたりCAを務め、VIP特別機搭乗で、天皇皇后両陛下や各国首相・国賓、世界中のVIPの接遇で高い評価を得た。「接遇力のある社員は会社の財産」をモットーに、一般企業や病院で、グローバルなフィールドで活躍するためのコミュニケーションスキルアップ指導を行っている。
<第1章>いちばんの5月病対策は“身だしなみ”
<第2章>目指すは『007』
<第3章>人間関係は許さないことが大切!?
<第4章>自己管理のポイントは“見た目と音とニオイ”
<第5章>日本と海外で大きく違うオーラルケアのリテラシー
松尾「誰しも気持ちに波はあると思いますが、働く上ではブランドイメージの一部を担うことになるので、ちゃんと健康的な食事をしていそうだとか、細部に気を配っていそうだという最低限の身だしなみは、整えていてほしいと考えています。
気持ちの部分でも、頭のなかにひっかかりがある状態のまま人に会うと、そのことに気を囚われて相手に集中できなくなってしまう。スープストックトーキョーには、世の中の体温を上げるという経営理念があります。それは、目の前のいる人の心を温めていく積み重ねで実現していくことです。そのことに集中するためにも、心も体も健康でいられるように意識してほしいと社内でもよく話をします」
里岡「わたしも、しごとをする上で大切なのは、まず健康的であること、その次は清潔感だと思っています。本領を発揮する体制づくりとしても、身だしなみはとても大切ですよね」
松尾「高いレベルを求めているわけではなくて、最低限人を不快にさせない努力ができているかどうか。たとえば、挨拶が元気にできるかや、ちゃんと相手の目を見て話すことができるかなど、当たり前のことをきっちりやれているというベースが大切ですよね。それができていれば、自分は相手にどう見えているかな?などと余計な不安のない状態でいられます。
“ちゃんとやれているぞ!”と自分で思えれば、自信をつくれますよね。その上で、サプライズや意外性などちょっとした仕掛けをして相手の心に一歩踏み込んでいけるのが一番かなと」
里岡「とてもよくわかるお話です。自信のなさは行動にも現れてしまいますし。たとえば、こんなしぐさ」
手で口元を覆ってしぐさを再現する里岡さん
里岡「これには、理由があって」
松尾「自己防衛でしょうか」
里岡「はい。笑顔になれない人も同じで、なんとなく後ろめたいことがあるからこそ出るアクションのひとつ。見た人は、その理由が気になりますから、相手になぜ対策してこなかったの?と思われてしまう動作なんです。
見る人の立場が社長ともなればなおさら。採用の場面では、戦力になる人かどうかを見極めなくてはいけません。それは消費者や会社の人たちに対する責任ですから、これくらいはいいであろうというのでは許されないし、細部にだらしなさが見える人はお断りするほかなくなってしまいます」
松尾「最初に出会った時の数秒にも現れてしまいますよね。あれ?なんで壁をつくるのかな?って」
里岡「とくに相手に伝わりやすいのは“先端”。頭の先から指先、足先など。細分化すれば、袖口や襟も。ここを少し気をつけるだけで大きく違います。
気が抜けてしまいそうなところこそが、その人の真価を問われるところだと思いますので、わたしは三面鏡で後ろ姿や横からの視線を意識してチェックしています。後ろ姿が素敵だと言われると、とても励みになりますし」
松尾「そういえばうちの洗面台も三面鏡です。もっと細かくチェックしなければ(笑)。
事前準備は、責任が大きくなればなるほど大切ですよね。スープストックトーキョーの店舗は60箇所ほどしかありませんが、駅ビルや空港などの激戦区にお店を構えることで、CMや割引などを行わずに、より多くの人の目に触れてもらおうという戦略があるんです。そのコンペに勝つためには、限られた時間のなかで経営理念に共感していただけるよう、プレゼンで熱量を伝えなければいけません。なりふりかまっている余裕はありませんので、最高の状態で勝負を懸けたい」
松尾「後ろ姿の話が出ましたが、 個人的に『007』のダニエル・クレイグが大好きで、肩周りの筋肉をちゃんとつけておきたいな、と。スープストックっぽくないからか、むこうでいま広報担当がシブい顔をしてわたしを見てますけど(笑)。
学生時代はバスケ部だったのですが、社会人になってからは運動不足になりました。このままでは最低限すら維持できないぞと危機感が湧いてきて、いまは週に一度、2時間くらい全力で汗をかくようにしています」
里岡「具体的な人物でなくても、こうありたいというのは細部にありますよね。理想のイメージに近づけることは、モチベーションに繋がると思います。わたしも彼のことは大好きです。じつは、夫と結婚したきっかけは、彼のようになって欲しいと、主人のプレゼンスやアピアランスを変える計画を立てたことからだったんですよ」
松尾「そうなんですね!」
里岡「主人は50代で、とくべつオシャレに興味はないようでしたが、そこを変えたら、仕事の質が変わったんです。自信を持つだけでなく、周りからの評価も一段と上がり、依頼されることも変わってきた気がします」
松尾「役者ではないけれど、そういう理想像を持っておくことは大事かもしれません。目指すところはそこなんだ!といつも周りに言っていると、バイオリズム的に多少落ち込んでいる瞬間があっても、仲間が持ち上げてくれますから。
たとえば、“松尾さん、こないだこんな熱い話をしてくれましたよ!”なんていって、わたしの疲れを飛ばしてくれる。そうすると、“あ、自分はこの熱量を持っていたんだ、この水準を期待されているんだ”と思えて頑張れるわけです。『007』は、5月病で調子が悪いから…とは言っていられませんし(笑)。そういうプロフェッショナルな気持ちは持っていたいですよね」
松尾「なにごとも、あとにひきずるのがいやなもので。けんかをしても、その状態で24時間以上過ごさないよう、ちゃんと謝って、話し合って、何かしら解決して仲直りしたいとは心がけています。
けれど、相手によっては、少し放っておいてくれないと気持ちが収まらないと言われることもありますよね。そこに、悪かったところはちゃんと謝るし、ちゃんと反省するから、最後まで話し合おうよ…と言えば言うほどうまくいかなくなる(笑)」
里岡「わかります(笑)。そういうとき、わたしは相手のことを許さないんですよ」
松尾「え!」
里岡「冷たいなって思うでしょう(笑)。でも、そうではなくて、忘れるようにしているんです。許すということは、その事実はずっと積み重なっているから。たとえば、夫婦げんかで相手を許したとします。そうすると、“あのとき、あなたのことを許したのよ”といういやなところがいつしか出てきてしまうんです。それって厄介だなーって。忘れてしまえば、いつでもフラットな状態でいられます。
友だちからは『ほんとうに、いろいろなことを忘れるよね』って言われちゃうけど、忘れたほうが相手にとってもラクだということは、いっぱいありますよね。ちなみに、うちの主人は、けんかをすると『YESハニー!』と言って部屋を出ていきます(笑)」
松尾「ははは(笑)」
里岡「そこにあんまり長くいちゃうと、ごちゃごちゃしちゃうので」
松尾「いったん離れるんですね」
里岡「そうして、ふたりとも心の整理をしてから会うんです」
松尾「たしかに、しばらくするといやな感情を忘れて仲良くなれることもあります」
里岡「松尾さんも、きっとお互いに忘れたいからとことん話しあうのしょうね。区切りをつける代わりに、あとに残さないでねって」
松尾「空のしごとはハードですよね。機長と副機長が同じものを食べてはいけないとか」
里岡「そうですね。ふたりが同じものを食べて万一お腹を壊したりしてはいけませんから。よくご存知ですね」
松尾「ドラマで拝見しました(笑)。健康管理はどうされていたのでしょう?」
里岡「CAは細身なイメージですが、意外にコレステロール値が高い人が多く、わたしにもその傾向がありました。毎日食べる機内食も、お客様がたまにいただくにはたいへんおいしい食事ですが、毎日となると贅沢過ぎる内容です。そこで食生活を見直すことを考え、湯煎でつくれたり、チンして暖められるスープなど、自分で食事を持参していました。入国する際は制限がありますが、機内への持ち込み自体は可能です。
あまり食べないとチカラが出ないので難しいのですが、かならず機内で食べられるものを持っていきました。みんな、工夫をしながら自己管理をしていたということですね」
松尾「上空だと塩味を感じにくくなるから、味つけも濃くなるらしいですよね」
里岡「そうなんです。だから、機内食はご馳走としてたまに。普段は地味なお弁当を食べていました」
松尾「わたしも、商社マンをしていたときは大変でした。食生活が乱れていて、コンビニで買ったものを詰め込んだり、食べずに夜中までお酒を飲み続けていたり。口内炎がよくできる体質で、胃が荒れて痛むものですから、しゃべりたくないと思ったり、しかめっ面になったりしていたんですよ」
松尾「6年ほど前にタバコをやめて、運動をするようになり、体質が変わってくると、口内炎がまったくできなくなりました。口内に痛みを感じることが減って、ただマイナスからゼロになっただけなのですが、今日も調子がいいぞと思えるようになりました。実力は変わらないけれど、心持ちは変わり、明るく話せるようになりましたね」
里岡「よく第一印象は目と耳で判断されるという話をしていて、オレオレ詐欺が流行ったように、視覚と聴覚は騙されやすいところと言われています。見た目という意味では、まずは身だしなみを整えることが大切で、食生活を考えて健康的でいることは、そのきほんと言えるかもしれません。
それから、ニオイの問題もありますよね。人は、一度でもいやな香りを感じると、その人のことを生理的に受け付けなくなってしまうことがあります。それに、自分が好きな香りを、相手が好きかどうかはわかりません。スメハラ(スメルハラスメント)という言葉もあるので、無臭が一番リスクが低い。わたしは柔軟剤選びも香りの強いものは避けています。何を食べるかにも気を使いますね」
松尾「いま横で話していて、とても緊張します(笑)」
里岡「全然においませんよ!(笑)」
里岡「外国のかたに多いのですが、男性のみなさまは口臭にたいへん気を使っていらっしゃいます。口をゆすぐには水場が必要ですから、かならずガムを持っています。アジアと欧米の習慣の違いなのか、日本ではよく爪楊枝が使われていますよね。ただ、見ていてあまりスマートではないかなと」
松尾「わかります」
里岡「海外の航空会社のビジネスクラスであれば、必ずマウスウォッシュが置いてあります。日本の会社ではまちまち。意識の違いがあると思います」
松尾「ボトルを開けてカップに注いで…と、少し面倒なところもありますからね。ポンプ式ならかんたんです」
里岡「プッシュして出てくるタイプは使いやすいですよね。うちの家族も、何も言わずにハミガキのあとに使ってくれるようになり、新しい習慣になりました。
口まわりの問題はデリケートですけれど、歯並びの噛み合わせが頭への刺激と関係していると考えると、知性とも強い関係があり、重要だと思います。
80歳で、20本以上持って生まれた歯が残っているお年寄りは、それだけ長いあいだ自分の歯をたいせつに扱ってきた人とも言えます。そういうかたに出会うと、生活習慣が丁寧だったから、こうしていまがあるのだなと思うものですよ。ただ歯が白ければいいというのではありません。色があるのは自然なことですから」
松尾「素晴らしいお話です。わたしたちは、心と体の健康に直結する食の分野で仕事をさせていただいていますから、素材選びにも、掛ける手間にも、こだわりをもっています。なかでも一番こだわるのは、食べていただくかたにどんな気持ちになってもらいたいかということです。
たとえば、わたしたちのスープを食べたことがきっかけで、午前中の仕事が雑だったなあと反省して、やり直そうと思ったとか、最近母親と話しができてないなと思い出して電話してみることにしたとか、すこし前向きになれたり、人にやさしくなれるきっかけを商品に込めたいんです。
そんなドラマのようなシーンをつくるためにも、努力さえすればできることなら、きちんとやっておきたいと思います。健康にいられるように意識し、笑顔でいられたり、おいしさをちゃんと感じられるようにオーラルケアをしたり、生活のリズムを整えて見直すことを、大事にしていきたいですね」
里岡「努力でどうにもできないことに対して人はなんとも思いませんしね。それに、人を変えることはできませんが、自分自身は変えられます。そういう意味でも、オーラルケアはとても重要だと思っています。
わたしが乗っていた機内にはマウスウォッシュが常備されていましたので、食事のあとはいつも紙コップに入れて使っていました。
唯一口からしか、わたしたちは体に何かを取り入れられませんから、身だしなみや生活習慣を整えるのなら、まずは口内が健康であるべきだと、そう思っています」
生活習慣や身だしなみを整える第一歩として、口内を健康に保つことがとても大切だと話すおふたり。そこで彼らがオススメしてくれたのは、120年以上の歴史がある薬用マウスウォッシュでした。
とくに海外のビジネスマンの間では常識的なマナーとして認識されているオーラルケアにおいて、幅広い品揃えがあるブランドとして広く知られている「リステリン®」。
口内全体の表面積のうち、歯の表面積はたったの25%だけと言われています(※)。そのほか、歯ぐきや口腔粘膜など、残りの75%をちゃんときれいにして、歯肉炎、歯垢の沈着、口臭を予防するために、日常生活へ取り入れてみてはいかがでしょうか。
※出典:Kerr W.J.S. and D.A.M. Geddes. The areas of various surfaces in the human mouth from nine years to adulthood.J. Dent. Res. 1991, 70 (12))