自閉症の人たちが、面接でこんなにも苦しんでいることを知っていますか?
就職活動や転職活動って、とても緊張しますよね。自分で「こんなことを話そう」と準備していても、予想していなかった質問をされるとつい焦ってしまうことも。ですが、「自閉症」を抱えている人の場合は、更なるプレッシャーを感じているかもしれない。
イギリスの「The National Autistic Society」は、想像しづらいそんな状況を、わかりやすく説明した動画を公開中。これを見て、いつもとは違う目線で「面接」を受けてみてください。
自閉症を抱えているとして
いざ面接官と対面すると…
© THE NATIONAL AUTISTIC SOCIETY 2017
「自己紹介をお願いします」と言われ、「全てを話すべきか?」と悩む。
© THE NATIONAL AUTISTIC SOCIETY 2017
「長所と短所は何ですか?」と聞かれて、「正直に言うべきか?」と迷う。
© THE NATIONAL AUTISTIC SOCIETY 2017
「どんな経験をしてきましたか?スキルや能力は?」と聞かれて、「質問が多すぎる。別々に聞いて欲しい」と困惑する。
© THE NATIONAL AUTISTIC SOCIETY 2017
質問を一度に聞かれ、返答するには時間が必要。でも、刻一刻と時間は過ぎるばかり。
© THE NATIONAL AUTISTIC SOCIETY 2017
結局、不合格になってしまった。
溢れる情報量に
飲み込まれそうになりながらも…
「全てを話すべきか」、「正直に言うべきか」、「答えを考えるには時間が必要」。はたから見れば、誰にでも共通することかもしれません。しかしこの動画、実は待合室にいるシーンから始まります。
受付の人が打つキーボードの音、鳴り響く電話のコール、壁に付けられているテレビに流れる映像や音声。溢れる情報量に飲み込まれそうになっているところに、面接官が男性を呼びにきます。
その後、次々投げかけられる質問に時間ばかりが過ぎてしまい、男性はうまく答えることができずにいました。「大丈夫ですか?」と面接官に覗き込まれると、飛び出すようにして部屋を出ていってしまうのです。
私たちができること
そしてその先に繋がる希望
自閉症を抱えている人は、周囲の環境によって、とてつもない不安を感じることがあります。相手の感情を理解することや自分自身の感情を表現すること、また、文脈に含まれた意味合いを理解することなどが苦手でもあり、コミュニケーションで困難が生じるケースがあります。
あなたの質問が曖昧だと、会話の核心が伝わりにくいことがあります。その場合、はっきり要点をついた話し方をすると良いということです。
最後に、この動画のラストで出てくる言葉を紹介します。
「自閉症を抱える多くの人たちが雇用されていません。彼らのスキルや能力が無駄になってしまいます」
誰にでも長所があり、スキルも人それぞれ違うはず。周りがより理解できるようになれば、お互いをさらに高めあっていける環境を、自分たちで作り上げることができるのかもしれません。