履歴書は「何を書いていないか」もチェックされていた。
転職活動におけるファーストステップ、履歴書。気になるのが、企業側から見るとどのような履歴書が目を引くのか、だと思います。
そこで、「Inc.com」の人気ライターJeff Hadenさんが、某IT企業の役員であるSimon Wistowさんへの取材から、「企業が応募者の履歴書をどのように見ているのか」を詳しくまとめた記事を紹介します。
履歴書だけで、自分の望む仕事に就けるわけではありません。企業も履歴書を見ただけであなた雇うことはありません。学歴、経歴、そして資格などはもちろん必要なものですが、それは一つの目安であり、人事はそれを参考に次のステップを始めます。
では、その応募者から、どのような人たちを面接へと進ませるのでしょうか?Fastlyの共同創設者のSimon Wistowさんは、履歴書では3つのポイントをチェックするそうです。
01.
どれだけ詳細に書いているか
多くの会社は、空いたポジションを埋めてくれる即戦力を探しているかと思います。特にスタートアップは、速く成長させたいという思いから、いつも即戦力を探しています。
でも私は、今できる仕事しかできないような人は雇いません。私は、今できる仕事だけではなく、6ヶ月後の仕事もできるような人を探しています。そのため、私は過去も、現在も、未来も見えて、問題の原因を突き止めつつ解決できる粘り強い人材を探しています。
履歴書には、無意味で曖昧な記載が目につきます。しかも、このような危険信号は、見過ごしやすい情報なのです。
例えば、こまかく経歴を記載した人の履歴書を読むと、その人が新しいことを学ぶのに抵抗がないと受け取れます。このような小さなことでも、応募者が挑戦的かどうかも分かります。
私は以前、履歴書に“洗濯機をネットワークに繋げた”と書いていたエンジニアを採用しました。現在、彼は会社の中で一番クリエイティブなハッカーです。
02.
狭くとも広くとも「何を」極めているか
人は、主に“万能タイプ”か“専門タイプ”に振り分けられます。両方兼ね揃えている人もいますが、それはごく一部。スタートアップには、会社を成長させるために、様々なプロジェクトを任せるためにも、両タイプの社員が必要になります。
一つのことに深い知識を持っている人と、広くいろんな見識を持っている人と、いろんな人がいるかと思います。そのためにも、両タイプの人がそれぞれに極めたものを知りたいのです。新しい仕事をすると、いろんな人と出会い問題解決に向けてさまざまな視点を得ることができます。
もしみんなが素晴らしいアプリを作っていても、結局は同等なものが並べられるとつまらなくなります。
03.
何を「書いていない」か
私が履歴書を過信しない理由には、“全てのストーリー”が明らかにならないからです。履歴書には、応募者たち本人が、明るみにしたいものだけが書かれているだけなのです。もし応募者が二人いて、同じ経歴と経験があったとしても、全く違う人たちになります。
面接でも、その違いが明らかになります。例えば、面接でコミュニケーション能力が高く、相性も良いと感じられるような応募者は、実は履歴書ではパッとしていませんでした。または履歴書では文句のつけどころのないスキルと経歴を持ち合わせてたとしても、面接では最悪な印象だった人も。
採用側としては、このようなバイアスがかかってしまうのも予測して準備しておきます。応募者が、履歴書に書いていない特徴、または応募者たちが明らかにしたくないものがどんなことなのか、予想しておくのが良いと思います。
危険信号としては、転職しすぎている、同じようなソフトウェアしか作れない、またはそのポジションに長く居座りすぎているなどの、いろんなサインがあると思います。そこは、あなたの業界からの経験で、履歴書から察知できるかと思います。
とはいえもちろん、あなたの憶測も間違っているかもしれません。そのためにも面接があるのです。