料理されてしまう「化粧品」に込められたメッセージとは?

化粧品のコマーシャルフォトを手がけるフランス人写真家が、こうつぶやく。

「欲望の押し付けに、ちょっと疲れちゃった」

名前は、Benjamin Henon。

普段の彼の仕事は、化粧品を魅力的で美しく見せることにも関わらず、このシリーズから受けるメッセージは、真逆。

化粧品を食べ物に見立てて、とにかく破壊・破壊・破壊!

彼の手にかかれば、ツヤツヤしている高級な口紅もパスタに早変わり。マニキュアにいたっては、瓶ごとスライス。

その化粧品は
本当に必要なもの?

キレイで美しい化粧品の裏には、ずっと何かを買い続けなければならない、という消費社会の闇が潜んでいます。でも「本当に必要なものなのだろうか?」と、彼の作品は問いかけているのです。

「僕は化粧品関係の撮影の仕事をしているから、間接的には化粧品によって生かされていることになるんだ。でも、こういうプロダクトがとても欲望に忠実なせいで、ときどき“”食べて”しまいたくなるんだよ。僕たちは、そんな化粧品のあり方と、そのうるさいメッセージに、少し疲れているんじゃないかな。だからこそ、建設的な方法で風穴を開けたいって思ったんだ」

食べても食べてもお腹が空くように、買っても買っても満たされない化粧品。

もしもそんなループに陥ってしまっている人がいたら、彼の画像を眺めて考え直してみるのもいいかもしれません。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。