「失敗から学ぶ」のにこの上ないスウェーデンの博物館

大ヒット商品を世に送り出す企業でも、開発の裏には数え切れないほどの失敗があるものだ。さらに言えば、たとえ商品化してリリースされたプロダクトであっても、世間の評価が低ければ、それもまた失敗であることには変わりない。

こうした「失敗作ばかりを集めた博物館」が、スウェーデン南部ヘルシングボリに6月7日にオープンした。開発企業からすれば、泣き面に蜂のようなハナシ。だが、僕らが学ぶべきものは多そうだ。

イノベーションの9割は
失敗に終わる

「成功の裏にあるはずの失敗にフタをして、功績を讃えるばかりのミュージアムが数え切れないほどあります。そういったものにもう飽き飽きしていたんです」。

館長Samuel Westが1年かけて世界中から選び抜いた展示品は、およそ70。どれも世界の名だたる企業が実際にリリースしたプロダクトやサービスだ。あるものは製品の意図を理解されず、またあるものは時代を先取りしすぎたために、その価値が認められないまま市場から消えていったものたち。

世間的に見れば、あるいは企業からしても、それらは失敗作だったのかもしれない。けれど、「その大部分は革新的な失敗」だと、Samuelは強調する。なぜなら、偉大な成功には失敗はつきものであり、その失敗から学ぶのが人間。それが臨床心理学者でもある「Museum of Failure(失敗博物館)」館長の信念だから。

ちなみに写真で氏が手にしているのは、ノキアから2003年に発売された、携帯電話機能とゲーム端末が一体となった「N-Gage」。圧倒的なゲームタイトル不足から販売が伸び悩み、ついには姿を消し、博物館で収蔵されることに。

革新的なアイデアには、つねにリスクがついて回る。それでも、こうして改めて見てみれば、なんとユニークな側面を秘めた愛すべき品々だろう。

スマホの台頭で存在感示せず
「TwitterPeek」

Twitter専用モバイルとして、2008年に登場した「TwitterPeek」。すでにスマホも普及し始めていたためだろうか、若者層からの支持がほとんど得られず。スクリーンも小さすぎて、ツイート全体を表示できなかったことがネックだった?

自転車以上のニーズ見出せず
「セグウェイ」

“移動形態を変える革命的な製品”、と発売前から注目されていた「セグウェイ」だが、フタを開けてみれば価格約60万円(当時)がネックとなり、販売数は伸び悩み。

コーヒー?コーラ?どっちつかずな
「コカ・コーラ ブラック」

“大人味のコーラ”としてフランスで発売された「コカ・コーラ ブラック」。2006年当時流行りのコーヒーコーラのような甘さはなく、コーヒーとも、コーラともつかないどっちつかずな味も、ブランディングも受け入れられなかったのか、数ヶ月で販売中止に。

時代を先取りしすぎた
「アップル・ニュートン」

時代が製品についていけなかったのか、あるいは価格が高すぎたのか…。アップルコンピューターにより開発され、1993年に発売スタートした「アップル・ニュートン」。セールスポイントの手書き機能も、認識率が低く、結局プロジェクトごと解体となる。

失敗の原因は製品ではなく企業?
「コダックD40」

1990年代、プロフェッショナルユースから、普及版デジカメとして登場したコダックD40。当時としては高解像度の38万画素を誇り、商品としてはヒットしたものの、企業側がイノベーションにビジネスシフトできなかったことが衰退の原因か。

効果は未知数…
「美顔器」

1990年代に発売された美顔器。スイッチを入れると、マスク背面の突起へと流れる微弱の電流が筋肉を刺激し、リフトアップできるといううたい文句だったようだが、これでは…コワすぎて周りが迷惑。

ビデオ戦争に敗れた
「ベータマックス」

1980年代後半にソニーより発売された、家庭向けビデオテープレコーダー「ベータマックス」。業界を二分したVHSとの“ビデオ戦争”に敗れ、2002年に生産終了となる。

ハーレーがリリースした
「香水」

ハーレーダビッドソンから1996年に発売された「オードトワレ」。無骨で男くさい単車乗りのイメージや、革ジャンの匂いに、果たして本当に香水が必要だったのかどうか。こちらも敢えなくお蔵入り。

他にも、
プロが見向きもしなそうな
「ダブルドラムスティック」

女子力アップならず
『Bic for Her』

耐久性に難あり
「プラスチック自転車」

実業家時代のトランプがボドゲに
「TRUMP THE GAME」

新技術を生み出す源泉は
失敗の中に存在する

失敗を成功に変える唯一の方法、それが学びである──。

博物館HPのトップページは、この言葉から始まる。失敗を大いに笑ってもいい、とも。ただし、他人の失敗を笑って楽しむだけでは意味がない。本当に大切なことは、他人の失敗を、いかに学びに変えるか、だ。

たとえ、ものづくりの現場にいなくたって、失敗はだれにでもやってくる。何かに挫折を感じているのならば、次の旅の選択肢にヘルシングボリも悪くない。

Licensed material used with permission by Museum of Failure
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