セックス中の「あえぎ声」をデータベース化

ヘッドホン推奨

と、ふざけて書いているつもりはありません。まじめな話、男性に限らず女性も、ひとり静かな場所でオーガズムに達した彼女たちの“アノ声”に耳を傾けてみませんか。

「リアル」と「フリ」の境界線
男女のセックス“悦び”の差

手始めに、まずは1本の動画を紹介します。

終始スペイン語ではあるけれど、肝心なのは内容よりもむしろ声としましょう。動画の被験者たちと同じように、まずは女性たちの「絶頂の瞬間」を聞き分けるところから。

「xxx……」

文字で表現するにはあまりにもメロディアスすぎるため、そこはぜひ自分の耳で。

すると突然、モニターにあえぎ声の正体が現れました。そう、これは声優によるフェイク。

ポルノ動画って可能性もあるなとは思ったけど、すっかりダマされたよ」と男性陣。一方、女性たちの反応はというと……「こんなのぜったい演技だって」と一人が答えれば、「そう?私には本番っぽく聞こえたけど」な意見も。

結果から言えば、被験者のおよそ6割がこれをリアルと答えたんだとか。では、たとえそれがフェイクだと分かったところで、どうだというのか。

Bijoux Indiscretsの調べによると、スペイン人女性の約66%がセックスの最中に、イクふりをしていると答えたそう。さらに、ほぼすべての人が性生活における“フィクション”は「ある」と自覚していることも判明しました。

セクシャリティの偏見をなくしたい

改めて、オーガズムを聞き分けるこの実験も、決しておふざけで行われた訳ではありません。実施したのは、女性向けアダルトグッズを専門に扱うスペインのメーカー「Bijoux Indiscrets」。

彼らこれ以外にも、18歳から55歳の男女およそ1,500人に対し「フィクションとリアルセックス」をテーマに、2006年よりオンラインアンケートや個別のヒアリングを重ね、セックスにおけるタブーや偏見の原因がどこにあるのかを、実験的にリサーチし続けているのです。

これは、そのほんの一例。

ポルノ動画を週に数回見る
男性:24.3% 女性:5.5%

性行為中まれにオーガズムに達しない
男性:5.2% 女性:22.5%

少なくとも1回はオーガズムを偽ったことがある
男性:21.2% 女性:52.1%

映画のようなロマンチックなセックスがしたい
男性:37.6% 女性:44.7%

ポルノ動画のようなセックスがしたい
男性:38.2% 女性:22%

ポルノ動画が男性たちの欲望や期待、性的行為に与える影響は非常に大きい、と同メーカー。これに対し本質的に女性が求めるものは、快楽による心からの悦び、と。

女性たちの“イク声”を
一般公募!?

セックスに対する男女間の意識の溝、あるいはポルノ動画の描写とリアリティとの根本的な違いに改めて目を向け、耳を傾けることで、性の悦びを謳歌してほしい。そこでBijoux Indiscretsは、性生活にはびこるフィクション(つまりはフリ)をなくそうと、あるプロジェクトを立ち上げました。

オーガズムに達した女性たちの「声」を集め、サウンドライブラリーとして公開する、というものなのですが…。

驚くことに、これらのデータはすべて公募によるもの。つまりは、ごくフツーの女性たちがセックス中に(あるいは自慰行為中に)録音した音声データだそう。確かに耳をそばだてて聞いていると、ベッドが軋む音だったり、衣類(?)が擦れる音だったりと、リアルな日常の雑音まで聞こえてきちゃう始末。


モーショングラフィックで
オーガズムを“見える化”

こちらはマーブル紙のような美しいデザイン。かと思いきや、以下は声の大きさや高さによって変わるモーショングラフィックを用いて、彼女たちの絶頂を視覚化したものだそう。

人々が求めるものは、快楽による心からの悦び。

と、世界中の女性たちからも“悦びの声”を募集するBijoux Indiscrets。世のセクシャリティに対する偏見が、声を集めることで実現するかどうかはわかりませんが…。それでも、冗談でなく協力できるという人は、どうぞ収録の準備を。

Licensed material used with permission by Bijoux Indiscrets
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。