風景にとけ込むカップルの趣味が、いつしか企業広告に。
背景の建物と、衣装や小道具とのマッチングは、見ているだけでわくわくさせる絶妙な没入感があります。ここまで建物と人物をシンクロさせたポートレイトは、そう多くはないはず。
「外の世界」は
アイデアがいっぱい
あふれる想像力でこれら個性的な写真は撮るのは、バレンシアを拠点とするフォトグラファーDaniel Ruedaさん。
「遊び心をもって、もっとワクワクすることをしたい」と、恋人のAnnaさんとともに、ユニークな建物や場所とのコラボレーションを始めたそうです。すると「広告として起用したい」と大手飲料メーカーや自動車メーカーなどからオファーが。
彼らのアイデアは、いったいどこから湧いてくる?Danielさんにインタビューしてみました。
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ーー独創的な写真が多いけれど、どのようにアイデアを得ていますか?
Daniel:雑誌や映画からインスパイアされることもあるし、頭に浮かんだイメージを生かすこともあります。例えば、窓がたくさんある場所や黄色にペイントされた場所で撮りたいというイメージが浮かんでそれに合う建物を探したり、その逆もある。常に創作意欲が湧くようなクリエイティブな場所を探しています。
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ーー頭の中にイメージが浮かぶとは?具体的な状況を教えてください。
Daniel:日常にもアイデアは転がっているんですよね。例えば、彼女が新しく赤い傘を買った時がそうでした。手にする様子を目にして「あ、なんかイイ」と思った後に、その姿とマッチする建物を探し始めたんです。これはアイデアが先にきたパターンかな。
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インプットはGoogle Earth
アウトプットは無限大
ーーユニークな建物の前で撮影されていますが、どうやってロケーションを探し当てるのですか?
Daniel:今住んでいるバレンシア市内だとしたら、自転車で街中をまわりって面白い場所を徹底的に探します。
ーーだけど、それではネタが尽きてしまいませんか?
Daniel:そんなことはありません。バレンシアはモダンな建物もあれば、バルセロナのように古い建築物もある。バルセロナと比べてもごちゃごちゃしていないところが好きです。古さと新しさがいい具合に入り混じっているから、飽きることがないんです。海岸まで見渡せる見晴らしのいい場所もあって本当最高。
ーー市外のロケハンは?
Daniel:国外も含め、バレンシア市外になるとGoogleマップを使います。アイデアが先行していればリサーチは数時間で終わる。ゼロから探す場合だと、数日かかることもありますよ。
ーー国外というとどの国ですか?
Daniel:デンマークやドイツ…他にもたくさん。ほとんどがヨーロッパですけどね。
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ーー服装が建物やスポットと一致しているのが面白いですね。
Daniel:服を合わせる場合は、アイデアが必ず先にあって、どれを着たらマッチするか、プラン立ててから撮影場所へと赴きます。自分たちが目立つのではなく、建物のデザインが映えるようにと心がけています。
ーーそもそもなぜこれほど建築に興味があるのですか?
Daniel:小さいころ僕の家族は引っ越しが多くて。たくさんの場所へ行って、いろんな街並みを見てきたからかもしれません。ちなみに写真を始めたのは父親がカメラマンだったことが影響しています。いつから始めたかは覚えてなくて、物心ついた時からカメラを握っていたそうだから。
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![](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/106851/7e81fe20c7fe3cb3c809c53a6f11eb331e58faa6.png)
ーーあえて聞きますが、作品を通して伝えたいことはありますか?
Daniel:特には…やっぱないかな(笑)。僕たちとしては趣味と考えていて。他にメインで生活のためにやっている仕事もあるので。でも2年ほど前から企業と組んで収入も得ているから、数年後にはこっちをメインにしていきたいと思っています。映画もやりたいし、これまではマイナーなブランドばかりだったけれど、ファッション業界とももっと組んでいきたい。でも完全にこれだけということにはしたくないんです。インプットも必要だし、常に他のことも平行してやっていけたら最高ですね。
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