一見するとただの石橋。けれど、「ギリシャの歴史」が詰まっている。
ギリシャの魅力を伝えるフォトグラファーを見つけた。ただ、彼はパルテノン神殿やサントリーニ島など、メジャーな観光地を撮影しているというわけではない。被写体はなぜか石橋ばかり。
最初は「なんでだろう?」と思いながら見ていたけれど、不思議なことに少しずつ興味を抱くようになっていった。
写真のほとんどは、グレヴェナ県で撮られたものだそう。撮影者であるThomas Biziourasさんによると、同県にはこのような橋が18本以上も存在しているのだとか。どれもかなり古いのは見てのとおり。もう何百年も前、車などはなく、馬やロバが移動手段として使われていた時代につくられたものばかりだそうで。
歴史を振り返ると、戦争中に他国の兵士らに破壊されてしまった石橋もあるという。これらを知ったうえで写真を見返すと、今も残っている石橋はある意味「平和の象徴」なのかもしれないと感じた。
Thomasさんが被写体に石橋ばかりを選んでいる理由は、忘れられた歴史を掘り起こし、若い世代にその価値を理解して欲しいからだという。
ギリシャへ行く機会があれば、石橋めぐりをしてみるのはどうだろう?これまであまり語られることがなかった歴史を、感じることができるかもしれない。