富士山を「ほふく前進」で登ったこともある冒険写真家が撮ったコレ、なんだ?

答えは、都会のカラスの巣。新進気鋭のネイチャーフォトグラファーである柏倉陽介氏が撮影したものだ。

「柏倉さんを代表する作品ってどんなものなんですか? いろんな極地に行っているから、きっとすごいんでしょう?」

と質問して出てきたのが、コレだった。

C899fe85ff760a5fd9e9a9e33be1617024cd04ea

「施設からお借りして、自分のアパートで撮影しました」

と柏倉氏。

大自然の美麗さ、ダイナミックさを提示されるよりも、むしろ腑に落ちないだろうか。

探検部で培ったタフな体格

6cf8ffdbaed63bb6eb569a99f10be3f06f128fcb
Photo by 稲垣正倫

富士山に「ほふく前進」で登ったのは、大学生のときだと言う。

「若さゆえですかね。ぼくが所属していた探検部のやつと、酔った勢いで『やろう』って話になってふたりでやりました。登り切りましたよ」

じつに穏やかな口調で物腰も柔らかいが、その冒険心は筋金入りだ。

「一番きつかったのは、タクラマカン砂漠の砂漠行路を600km自転車で移動したこと。日中40度、朝0度の気温。夏と冬の装備を持っていきました。竜巻があったりと、きつかった。

西表島南西部へ、海には適さないラフティングボートに乗って、7〜8人の荷物と人間を乗せて1ヶ月漕いだこともあります。実際に漕いでいる時間は1週間くらい。そこで自然の美しさに気づいたんです。満月の砂浜を散歩していたら、夜光虫のなかをコウモリが飛んでいて、自分が物語のなかにいるような気がしましたね」

大学を卒業してからアウトドア雑誌の編集部に入り、だんだん写真家への道へシフトしていったのだという。

想像力で
ネイチャーフォトは変わる

自分が想像したとおりに撮れるかどうか、が柏倉氏が語るポイントだ。

「僕は、夢を見させてくれる被写体を見つけられるはずだと、つねに自信を持って撮影に臨んでいます。自分の空想を重ねられる、静かなところで撮りたいと思っているんです。

カメラは写すものではなく、光を受け止めるもの。被写体が浴びた光を受け止めるのです。魅力的な光を放ってくる被写体を見つける。しいては、魅力的な光を想像するわけです」

Bec21d86718adea704e065dd8c186fc6b14138a4

「自然は本当に厳しいですが、日本国内でも想像力次第で素晴らしい写真を納めることができます。自分の想像した光と、被写体の放つ光が重なる瞬間に、凄いことが起きるのだと思っています。

想像して見方を変えながら歩けば、散歩だけでも、世の中が変わって見えるんです」

日本中を歩き、ラフティングを漕ぎ、ロケーションを探し求めている柏倉氏を代表する作品が、都会のハンガーを重ねたカラスの巣であったことは、必然。

強く、逆境をはね除けようとする「カラスの巣の美しさ」こそが、そのとき想像力をかき立てたのだろうーー。

 

これらのインタビューは、ドキュメンタリーTVの「ナショナル ジオグラフィック」が“ドキュメンタリーを体験する”をコンセプトに主催する「ナショジオ ツアー」の第1弾「ネイチャーフォトグラファー柏倉陽介と行く『西表島写真の旅』with ソニーα」に同行し際、実施したもの。

日本中を歩き、ラフティングを漕ぎ、ロケーションを探し求めている柏倉氏を代表する作品が、都会のハンガーを重ねたカラスの巣であったことは、必然。

強く、逆境をはね除けようとする「カラスの巣の美しさ」こそが、そのとき想像力をかき立てたのだろうーー。

「ナショナル ジオグラフィック」は、空中都市マチュピチュ(1911年)や沈没したタイタニック号の発見(1985年)など、歴史に残る数多くの実績を有するナショナル ジオグラフィック協会を母体とし、あらゆる領域の“未知”へ挑み、次世代の“知”へと変えていく世界最高峰のドキュメンタリーTV。事実に基づき、エンターテイメント性を兼ね備えたコンテンツを創造し、より多くの人の知的好奇心を刺激し続ける。

ドキュメンタリーTVの「ナショナル ジオグラフィック」が“ドキュメンタリーを体験する”をコンセプトに主催する「ナショジオ ツアー」の第1弾「ネイチャーフォ...
登山家よりも、重い機材を運びながら仕事をするカメラマンのほうが過酷なのではないか…そんな話を1度や2度は聞いたことがあるはず。プロの使う機材は、一眼レフで...
亜熱帯に属する西表島は、自然が猛威を振るい続けたがために、結果として美しい自然を現代に残している。島を巡るための道路は半周しかなく、自然がありのままの姿で...
Mt.Fuji photographerの成瀬亮さん。彼はどこにでもいる普通のサラリーマンだったが、4年前に山中湖で「富士山」を目の当たりにして人生が変わ...
10月11日に東京地下鉄株式会社(東京メトロ)が丸ノ内線の新型車両「2000系」をお披露目しました。
中身を覆っているフィルム部分は水に溶けるようになっていて、ゴミは出ないし持ち運びに便利なシャンプー。
フォトグラファーPhillip Haumesserさんは、使い古された「Canon EOS Rebel T2i」と「PENTAX 50mm f1.7」を、...
今回、紹介するのは、ナショジオ主催の「ナショナルジオグラフィック・ネイチャー・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」からの2017年度の入賞作。今年のグラン...
NHK大河ドラマ『平清盛』やJR東日本『JR SKISKI』などの広告写真から雑誌撮影まで、幅広く活躍する写真家、鈴木心。彼は、写真の楽しさを多くの人に知...
牧之原台地を中心に、お茶の生産が盛んな静岡県島田市。静岡県の中央に位置するこの街は、静岡駅や掛川駅、浜松駅などの新幹線が停車する駅からのアクセスが便利です...
いろんな飲食店のオリジナルTシャツを紹介する「ショップT大集合」。今回は番外編です。ピックアップしたのは、ゴールドジムのTシャツ。そう、あのゴールドジムです。
画家ゴーギャンが「古城のよう」と表現したことで知られるポリネシア、モーレア島を拠点に活動する写真家夫婦ヴィルジニさんとサミュエルさんは、10年ものあいだポ...
犬は、人間よりも早く歳をとるもの。だから歳を重ねる毎に、なるべく長生きして欲しいと祈りつつも、覚悟はしておかなければならないと自分に言い聞かせる。犬と一緒...
アムステルダムを拠点に活動するフォトグラファー・Patrick Mordiさんは、ある日写真を撮ることへの情熱を失い、その楽しさを思い出せない日々を送って...
「富士山」と「お茶」をガッチャンコして『FUJICHAN』。このネーミングに、思わず頬がゆるんでしまいました。一方、デザインはといえば、よくある冠雪を表現...
スウェーデンの決済プロバイダー「Klarna」が、自社のプロモーションも兼ねて粋な方法で万引防止に乗り出した!動画には商品を持ったままポカ〜ンとする犯人の姿も。
ひとくちに「フォトグラファー」と言っても、そこには様々な形があります。ここで紹介する保井崇志(Takashi Yasui)さんが本格的に写真を撮り始めたの...
被写体にしたのはきっと、"日本の春色"。モスクワの写真家、Kristina Makeevaさんの作品に目を奪われてしまうのは、一度見たら忘れられなくなるく...
静岡県にある、知る人ぞ知る“秘境駅”が大きな話題になっています。なるほど、確かに写真を見ればそれも納得。この幻想的な光景、なんだか『世界の車窓から』に出て...
撮ったその場で現像できるインスタントカメラが、若い世代を中心に人気を集めている。この流れに乗って、モバイルプリンターを使ってスマホ写真を現像しようという動...
ブリュッセル在住のEric Lafforgueが撮影したのは、何かと謎の多い“北朝鮮の日常”。彼が捉えるのは、日々の何気ない光景のように思います。しかし、...
山梨県のお蕎麦屋さんで食べるべき一品、それが「鳥もつ煮」。砂肝やハツ、レバーにキンカンと、鳥肉の様々な部位を甘辛く照り煮にしていて、お酒との相性も◎。もと...
イタリア人フォトグラファーのRoberto Berteroさんは、自らの足でアルプス山脈を登り続け、絶景写真を撮りつづけている。その高さ、約3,000〜4...
アメリカ合衆国の北フィラデルフィアのに位置する、ケンジントン。そこは、バッドランドとも呼ばれ、薬物中毒者が集まる場所。あまり口にされることのない、闇に包ま...