「レイプされたときに着ていた服」の展覧会。
どんな服を着ていたの?
レイプは被害者の心に大きな傷を残すことになりますが、被害を知った人が被害者に追い打ちをかけるようなことを言ってさらなる深い傷をつける、セカンドレイプの被害もあとを絶ちません。
「どんな服を着ていたの?」のセリフには、暗に「あなたの着ていた服にも原因があるんじゃないの?」と責めるようなニュアンスが込められています。そんな思い込みに「NO」という答えを見せてくれる展覧会「What were you wearing?(あなたは何を着ていたの?)」がアメリカのカンザス大学で開催されていました。
レイプされていたときに
着ていた服の展覧会
この展覧会では、レイプ被害者たちの協力のもと、被害にあったときに着ていた服装が再現されています。それぞれの人のストーリーが添えられた18着。
それぞれの服に
“状況”を添えて
ドレスシャツとカーキのパンツ。その日はコミュニケーションのクラスでプレゼンがありました。私が検査をしている間に服は持っていかれちゃって…どうなったのかわかりません。
被害に遭ったあと、数日仕事に穴を空けました。それから上司にそのことを打ち明けたら、彼女は「何を着ていたの?」って聞いてきたんです。だから「Tシャツとジーパンよ、このクソ女!バスケの試合に他に何を着てくわけ?」って返しました。
それから職場を出て、二度と行くことはなかったんですけどね。
ワンピース。何ヶ月かして、母がどうしてクローゼットのワンピースをどれも着なくなったのって文句を言った。私は6歳だった。
お気に入りの黄色いシャツを着ていたけど、下は何を着ていたか思い出せない。とても混乱していて、ただただ兄の部屋から出て行きたかった。
水着。川で一日中カヌーをしていて、とっても楽しかったのを覚えています。そうしたら、着替えをしようとしているときに、私のテントにその人たちが入ってきたんです。
展示された声無き衣類はさまざま。違う服装だったら被害を防ぐことができた?それほど単純なものではないことがわかります。「どんな服装だったか」なんてこと、聞けなくなるんじゃないでしょうか。