ラクしていては決して気づけない、「らせん」の美しさ。
らせん階段を上っていると、ときどき自分が今どこにいるのか見失います。
確かに上へと足を運んでいるはずなのに、永遠に目の前の階段が終わらないような、そんな想像をしてしまうことがあります。こうしたらせんの階段も、今じゃだいぶ珍しくなりましたよね。
写し出されているのは、無限
ブダペストに建つバウハウス、アール・デコ調のらせん階段を、上から下から撮影したフォトシリーズ「Time Machine」。どこまでもうねり続く階段を上り下りするときの、あの途方もない心境が、視覚となって現れてきませんか。
ひと口に“らせん”と言っても、写真にもあるとおりその形状は実に様々。フォトグラファーBalint Alovitsによると、すべてが1930年〜40年代に造られたものだそう。日常から一歩距離をおいたような、どこか物悲しささえ覚える景色。
世界の始まりの瞬間を、考えたことはありますか?
時間は、いつからそこにあったのでしょう。
宇宙が始まるずっと前から?
時間の始まりは、
そしてその終わりは、いったいどこにあるのでしょう。
永遠なんてないという人もいます。
すべては有限であると。
でも、「TIME MACHINE」と名付けられたこのフォトシリーズを見ていると、そもそも終わらないものとはなんなのか?なんて考えたくもなります。
まあ、それ自体だって錯覚のようなものなんでしょうけど。
Licensed material used with permission by Balint Alovits