「原材料:愛」と記載したアメリカのパン屋さん、痛い目にあう。
「お母さんの料理は"愛"が込もっているから、
そこらのレストランよりも美味しいのよ」
夕飯を出すとき、「愛」をまるで材料の1つかのように話す母に対して、私は「え〜、そんなのどうやって入れるの〜」なんて返していました。
今思えばそれもキュートなメタファー。そう言われるとなんだか美味しく感じてしまったりね。
がしかし、「愛」を原材料欄に記載したアメリカのベーカリーが、食品薬品局からお叱りを受けてしまったそうな。「Food52」のライターValerio Farrisさんは「愛を材料として認めたっていいんじゃないか!派」のようです。
あなたはどう思う?
食品医薬品局から
お叱りのお便り
私は至るところで、シェフたちのこのセリフを耳にしてきました。「愛を持って調理すればどんなに濃いソースであろうと愛は伝う」と。
ところが米食品医薬品局(以下、FDA)によると、食べ物は「愛」にまったく感化されないとかなんとか。
マサチューセッツ州ウェスト・コンコードにあるナショバ・ブルックス・ベーカリー宛てにFDAが手紙を出したのは、とある火曜日のこと。
それは、なんとこの店が商品のホームメイドグラノーラの原材料欄に「愛」と表記したからだそう。
茶目っ気を込めただけだったのに、FDAは見過ごしてはくれなかったようです。
「貴社のグラノーラの原材料欄に
"愛"といった表記を拝見いたしました」
…手紙の書き出しはいたってシリアス。
「"愛"は一般的に知られている原材料として
認可されていません。
つきましては、愛を材料欄に記載するのは
不必要とされます」
(いやいや、FDAさん。たしかに愛は一般的な原材料じゃないかもしれませんが、だからこそ特別なんじゃないっ)
FDAはこのベーカリーの衛生面にも触れているものの、「愛」と記載したことに対してあまりに堅苦しく訴えられていて、まるでオーウェル(イギリス作家)の作風を模したように聞こえるのは否めないところ。とは言え、このキュートな試みが官僚の厳しい目に引っかかってしまったのが、なんだか笑えますよね。
「美味しい食べ物には
“愛”が詰まってるんだ」
このベーカリーが言いたかったのは「大事なのは気持ちだ」ってこと。
たしかに愛は計量スプーンなんかじゃ測れないけれど、思いっきり甘いケーキやグツグツ煮込まれたクリーミーなリゾットを口に入れた瞬間、ジワジワ湧き出てくるものなのです。
みなさんもグラノーラを作るときは、FDAには認可されていない「愛」を込めるのも忘れずにね。