「愛」って、こんなにも儚いものだったんだ。

 

ふと思ったんです。
「愛」と「愛情」は一緒のもの?それとも、べつものなの?って。

辞書で調べてもふんわりとしか理解できなかったので、まわりにいる人生の先輩たちに聞いてみることにしました。

今回は、第9弾です。

あなたにとって、
「愛」と「愛情」って何ですか?

38歳の主夫(二児のパパ)Nさんの場合。

Nさん:たぶんね、本来は、愛と愛情に違いなんてないはずなんだ。でも、僕らはきっと、こと恋愛においては、目の前の人に盲目になるがあまり、そもそも愛のなかに含まれていなきゃいけない情が見えづらくなっちゃう。

愛情って、ふたつの漢字がくっついて熟語にはなってるんだけど。僕のなかでは、意味合いとしては愛と同じなのかもしれないな。カップルでも、情ありきの、愛情を注いでいる人もいるしさ。

でも、わかりやすく言うとね。夫婦や家族とかっていう共同体のなかで、背中を向け合っていても相手のことを理解できる、受け入れられる、と思えるようになるのは、そこに情があるからかもしれないな、なんて。

ーーうん、そういう感じはしますね。

Nさん:愛は、あるかないかだけど、愛情は、渡すのか、それとも注ぐのか、かけるなのか。なみなみ溢れているところからそれを降り注ぐ感じじゃない?だからさ、愛は、生まれたりなくなったりすることが多いんだと思うんだよ。それに対して、愛情はもうすこし上段にあるものでさ。だから降り注ぐ感じね。本来ニアリーイコールであるはずの愛と愛情だけど、愛情のほうがもう少し上の視座からみている証拠なのかな。日本人はそうやって言葉を使い分けてきたのかな、なんて思っていたりしますね。

ーー今のはなしだと、愛は生まれてもなくなることができるもので、愛情は、一度生まれたらなくなることはない?

Nさん:うーん、消えにくいのかな。消えづらいのかな。それこそね、「瞼の母」とかさ。でもこれって、「本当にゼロになれてるの?」って思うんだよね。別れた男・女への未練とはまた違うんじゃないかな。情ってさ、一瞬の出来事で生まれるものじゃないはずなんだよね。積み重ねというか、育むものというか。だから、愛情は、一度生まれたらかんたんになくしたりできないはずなんだよ。


わたしは過去に一度、ずっとあると思っていた大きな愛をなくしました。だからかな。このはなしを聞いて、何だか心がキュウっとなったのは。

今回協力してくださったNさん、とってもとってもありがとうございました。

 

トゥ ビー コンティニュウド

 


 

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