「愛」が「愛情」に変わるとき。
ふと思ったんです。
「愛」と「愛情」は一緒のもの?それとも、べつものなの?って。
辞書で調べてもふんわりとしか理解できなかったので、まわりにいる人生の先輩たちに聞いてみることにしました。
今回は、第8弾です。
あなたにとって、
「愛」と「愛情」って何ですか?
40歳の料理人(二児のパパ)Sさんの場合。
Sさん:本来ならば、愛も愛情もワンウェイだと思うんです。
ーーどういうことでしょうか。
Sさん:愛を与えるのも愛情を注ぐのも、本来なら、どちらか一方から相手に対してする行為。だけど、愛は見返りを期待しちゃうから、育んでいくものなんだろうな、と。でも、愛情になるとね、それこそ「情」って漢字がついているから、相手への奉仕の気持ちがあったり、もう、無償なものなんじゃないかな。それまでとは違う責任感が芽生えたりもするしさ。
ーー愛情は、無償のもの?
Sさん:そんな感じがしますね。たとえば、愛は、お互いがお互いの方を向いていないとダメになっちゃう。愛情って、相手に背中を向けられていても、その人のことを想い続けられるんじゃないかな。
たとえばさ、子どもたちに見返りを求めることは一切ない。そんなのはどうでもよくて、常に彼らの方を向いていてあげられる。愛情でしかないよね。その情には、やさしさもあれば厳しさもある。いろんな形がある。
ーー奥さんへの愛が愛情に変わった瞬間は、いつなのでしょう?
Sさん:ただただ大切な人であった存在を、守らなきゃいけないっていう義務感が生まれたときなのかな。婚姻届を出すときにはまだ感じてなかったことなんだけど。いつ生まれたんだろうな。はじめて我が子を抱っこしたときかな。与えて与えられる愛のパスみたいなのがいらなくなった。
いまは、大きなボールのなかに、僕と彼女で愛情という水を張り合っているようなイメージ。そこに、僕も彼女も子どもたちもふわふわと浮かんでいる。放っておくと、水と油が分離しちゃうように、だんだん水がふたつに別れてしまうので、それをたまに撹拌しなきゃいけないんだけど。
ーーその撹拌は、どうやって?
Sさん:たまにふたりだけで出かける。それはきっと、愛おしさを再確認しあう時間なんだよね。
ときどき愛おしさを再確認する。これ、夫婦が仲良くい続けるための、とっておきの方法だったりするんだろうな。
今回協力してくださったSさん、とってもとってもありがとうございました。
トゥ ビー コンティニュウド