子どもの身長を伸ばす秘訣は……「愛情」だった!?

子どもが健やかに、そして“大きく”成長するために欠かせないもの。健康な遺伝子バランスの良い食事適度な運動……これで十分と考えているようなら、その認識を改めてもいいのかもしれない。

幸福、そして希望も忘れるなかれ。

ネイチャーマガジン『Earth.com』が紹介した最近の研究において、子どもたちの幸福感が身体の発育に重要な要素となる可能性が明らかになった。

英ラフバラー大学の生物人類学者であるBarry Bogin教授は、50年以上にわたり人間の成長についての研究を行っている。そんな彼が、“精神の幸せと身体的発育”に関する研究を発表。

Bogin教授は、愛情という絆が、すべての年齢層の人々の間で社会的に形成される必要があると語る。さらにこの絆は、食物の消化吸収や良好な免疫システムの確立など、生物学的機能を促進するためにも不可欠だという。もちろん幸福感や前向きな人生観にも影響を与えるとのこと。

この研究結果は、一家庭内だけに限った話ではなく、社会的な幸せが街全体の身体的発育にも影響を与えることを示す。

教授は、グアテマラとオランダという2つの対照的な国の平均身長を比較。グアテマラでは、不安定な政治情勢や暴動などの影響を受けるため、男性の平均身長は163cm、女性は149cmと低い。一方、オランダでは社会的保障制度や治安政策を重視しているため、男性の平均身長は183cm、女性は169cmに達している、らしい……。

また、過去の身長に関するデータも調査。1873年から1879年、ヨーロッパと北アメリカで起こった長期不況が、イギリスとアメリカの男性の平均身長に大きく影響を与えたことを指摘する。一方で、1930年代の大恐慌や第一次、第二次世界大戦といった大規模な危機は身長に影響を与えなかったことも。これは、政府が市民を雇用する大規模な公共事業を実施したので、彼らの自尊心や将来への希望が保たれたことが要因だという。

 

このように我々人類、特に発達段階の子どもにとって幸せ度は、身体的発達・健康面に直結する重要な要素と言えるのかもしれない。

幸せ希望。30年間伸びていない日本人の平均身長を伸ばすカギになるかもしれませんね……。

Top image: © iStock.com/RyanJLane
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