「絶対の愛情」の証明
だって
生臭い生活感は
それだけで強いと思ったんだもんうちの食卓にはいつもね
母親のつくった茶色の煮物が置いてあってね
どうしてうちは
こんなカッコ悪いんだろうって
子供の時から思ってたんだけどねだけどそれは
絶対の愛情の象徴だったんだって
きのうそう思ったんだもん『痛々しいラヴ(祥伝社)』魚喃キリコ
冒頭のセリフは、『痛々しいラヴ』に登場する女の子が、好きな先輩が彼女といる場面に遭遇したときに思ったこと。スーパー帰りの二人が持っていたレジ袋の中のたくあんを見て、先輩への恋をあきらめました。
sara lorussoが撮ったカップルたちの写真には、女の子が敵わないと思った「絶対の愛情」が表れていると思うんです。
一方通行のようなものもあれば、相互的のようなものもある。それぞれの関係が今も続いているのかはわからないけれど、その瞬間、たしかに二人の間に「絶対の愛情」があったことを証明しているなあ、って。
Licensed material used with permission by sara lorusso