今だけしかない都内にある「楽園」は、あなたの疲れをそっと癒やしてくれる

ちょうど、ゴールデンウィークの休みと休みのあいだ。有給をつかって長い休みを満喫している人たちを羨みながら、ため息をついて出社した昨日の私とは打って変わって、今日は晴れやかな気持ちでデスクについた。

それは、昨日の夜、渋谷のビルのある一角で、心おどる空間に出会えたから。

世間は明日からまたお休み。だからこそ、これを読んでいる皆さんにもぜひ行ってみて欲しいので、なにがあったのかコッソリ教えちゃいます。

きのう、出社してため息をつきながら自分の席に座った私。憂鬱に感じていた原因は、休み明けにすぐ社内でおこなうプレゼンの準備をしなければいけなかったから。

資料づくりに加えてリハーサルの時間は2日間しかなく、ゴールデンウィークの合間のハードワークが目に見えていた。

パソコンの画面とにらめっこし続けていた私の顔を見て「暗い顔してどうしたの?」と声をかけてくれたのは、隣の部署でよく声をかけてくれる先輩だった。

今日も彼女の髪の毛はキレイに巻かれていて、明るいオレンジ色に塗られた口元が笑っていた。

「週明けのプレゼンの準備ね」

パソコン画面をのぞき見た先輩はこう言って、「がんばれ~」とまるで他人事のように言う。

「ありがとうございます」

先輩に返事をした時の声が、無意識のうちに暗くなっているのが自分でもよくわかった。すると、先輩は手にもっていた携帯画面を見せてこう言った。

「ここ、きのう彼氏と行ってきたんだけど、仕事前夜にいい息抜きになったから今日行っておいでよ。渋谷だから近いし」

そして見せてくれたのは、冒頭からリズミカルで軽快な音楽がながれる動画

「『Sing-Sing!』っていうイベントなんだけど、フォトグラファーのヨシダナギさんがアフリカに行った時に見た色や出会った人たちを、NAKEDとコラボして音と映像で表現してる空間なんだ。とってもキレイだったよ」

私は先輩の話を聞きながら、動画に見入った。

(おもしろそう。行ってみようかな)

「じゃ、頑張ってね」と言いのこし、オフィスの奥へ消えていった先輩の背中に視線をおくりながら、私は仕事帰りに立ち寄ってみることに決めた。

渋谷駅からすぐ、西部A館7階の特設会場にあるその場所に着いて入口を抜けると、ヨシダさんがアフリカで撮影した写真がずらりと廊下に並んでいた。

48518844645376006004025984024576

写真にうつっている、日本では決して出会うことができない人や風景は、ビルの足元にひろがる都内の混雑をかき消すような雰囲気を醸し出していた。

そして、その先にある黒い布に覆われたスペースへと足を踏み入れた。

鏡に覆われたその空間は、さっき廊下で見た写真の人たちが着ていたような、カラフルな色で溢れていた。

5966694665158656

「わっ」

まわりの訪問者たちは、場内に設置されている太鼓などの楽器を叩いている。先輩が見せてくれた動画にながれていた、あの軽快な音楽も…。

59986749916446725951487259705344

映像や色は、楽器のリズムに合わせて変化していった。コロコロと変わるその空間に見とれていると、満足したのか楽器を鳴らしていた集団は手を止めて去っていった。

さっきまでとは一転して、音が失くなった空間に私はひとり立ちつくした。薄暗かったけれどぜんぜん寂しくなんかない。むしろ、目の前に映し出された宇宙のようなキラキラした映像は、渋谷にいるという事実を私の頭の中からかき消してくれた。

4825587352862720

アフリカで夜空を見上げたら、こんなかんじなんだろうか──。

夜遅くまで仕事をした帰り道だって、東京は街灯やビルの光に照らされすぎていて星をあまり見ることはできない。

ふと、心が軽くなっていくのを感じ、目の前にある太鼓を叩いてみたくなった私は、自然と手をのばした。

 

ポンッ

 

手の平から弾けた音がまるで合図だったかのように、足元にはまた色が溢れ出し、音楽がながれ始めた。

なんだか楽しくなって、私は太鼓を叩きつづけた。

その時間、その空間だけは、紛れもなく日本じゃないどこか、海を越えた先の広い大地に私は立っていたと思う──。

【開催概要】

『ヨシダナギ✕NAKED「Sing-Sing!」』

会場:西武渋谷店A館7階 特設会場

期間:2018年4月19日(木)~5月13日(日)

入場料:一般・大学生500円 ※高校生以下無料

Licensed material used with permission by NAKED Inc.
アムステルダムを拠点に活動するフォトグラファー・Patrick Mordiさんは、ある日写真を撮ることへの情熱を失い、その楽しさを思い出せない日々を送って...
日本人にとっては、ものすごく身近な「夜の路地裏」。でも、海外の人の目には、光り輝く看板や赤い提灯がとても新鮮に映るのだそう。実はいま、涌井真史さんが撮影し...
“つくり込まれた” 写真を目にする機会が増えました。もちろん、それも美しいしおもしろいけど、実際の風景や空気感とはかけ離れていることも、しばしば。東京在住...
桜が散ってしまったら、花見はもう終わりだと思っていない?でも、都内にはたくさんの「枯れない桜」があるのです。そしてそれは、景色よりも素敵なものを運んできて...
「アフリカ」と「着物」。一瞬考えただけではとても合いそうには思えない組み合わせですが、なるほど、見れば納得。ただ奇抜なだけではなく、アフリカの伝統的な柄と...
疲れがピークになった週末こそ、こういう写真に心癒される──。
フォトグラファーPhillip Haumesserさんは、使い古された「Canon EOS Rebel T2i」と「PENTAX 50mm f1.7」を、...
“非日常がまるで日常になる、シェアする旅の宿”。さまざまな国籍・年齢・キャリアの人々が、世界各国、もしくは日本各地から訪れます。近年ではリノベーションされ...
外国人から見ると、東京の路地裏に広がるネオン街は「まるでゲームの世界に飛び込んだ」ような気持ちにさせてくれるとか。撮影したのは、アートとゲームをこよなく愛...
フォトグラファーにとって「雨」は、天敵とも言えるかもしれません。高価な機材は濡れてしまうし、一般的に撮影自体も難しくなります。でも、「雨の日にしか撮れない...
夏らしい青空もないし、透き通った美しい海もない、なのにカラッとした心地いい日本の夏の「暑さ」を感じる写真たちです。撮影したのは東京在住のブラジル人フォトグ...
「The Neck Hammock」は、ドアノブなどに引っ掛けて、頭を専用の枕のようなものに固定して、首の疲れを軽減してくれる健康器具。使うときに必要な動...
てくれるし、哀しいとき、ツラいときにはそっと寄り添ってくれる――。これって少しでも音楽が好きな人なら誰しも経験したことあるのでは?個人的にもナーヴァスなと...
「彼らがこの世から消えてしまう前に、その記録を世界に残しておきたい!」。イギリスのフォトグラファーJimmy Nelson氏は、2009年からプロジェクト...
ボリビア・ウユニ塩湖で、鏡張りの水面に立ちたいーーとはいえ、南米は遠すぎる。そんなあなたに朗報です。なんと都内から1時間で行ける場所に、あの「天空の鏡」が...
2014年から、カップルで旅をしているAndrewさんとAdrienneさん。今では世界中を転々としながら、彼らが立ち上げた、ファッション企業「The R...
小笠原諸島母島の、美しい動画をご覧ください。
注目フードから、まるで秘境のようなビーチまで、この夏に行ってみたい「東京都内のおでかけスポット」をまとめてみました。うまく連休がとれないときや、ぽっかり休...
2016年1月、初めて日本を訪れたイギリス人シネマトグラファーChristoph Gelepさん。5日間の東京滞在、夢中でカメラを回し続けた彼の目に映る東...
ココは、伊豆諸島を構成する島のひとつ、式根島。立派な東京都内です。写真の泊海水浴場は、ぐるっと岩に囲まれた入り江が特徴的で、水は抜群の透明度。波が穏やかな...