東京を訪れて、失っていた情熱を取り戻したフォトグラファー
アムステルダムを拠点に活動するフォトグラファー・Patrick Mordiさんは、写真を撮ることへの情熱を失い、その楽しさを思い出せない日々を送っていたそう。
そんな彼に、もう一度写真を撮る気力を与えてくれたもの──。それが「東京の街並み」でした。
小さくて大きな街
「東京」
もともと彼が東京を訪れたのは、写真を撮るためではありませんでした。ずっと日本文化に興味があり、友人と観光でやってきたそうです。
プライベートで、気分転換のために訪れた東京。しかし、街並みを見ていると、彼の胸にある思いが去来します。
「この街で写真を撮りたい」
Patrickさんに、東京を訪れたときのことを聞いてみました。
「初めて東京を訪れて、静かなのにどこか混沌とした風景、眠らない街、行き交う人々の優しさに心を動かされた。
忘れられないのは、雨が降る早朝5時に写真を撮りながら歩いたこと。そしてそれが、とても楽しいと思えたこと。東京は小さいけれど、大きな街だった。あの街の中で、僕は大切なものを取り戻せた気がしたよ」
私たちにとっては見慣れた風景でも、彼の目を通すと知らない場所のように感じられるのも不思議です。
もちろん、アムステルダムに戻った今でも、彼は写真を撮り続けているという。またいつか日本を訪れて、もう一度東京の街を、そしてできれば日本全国を旅して写真を撮りたいんだ、と夢を語ってくれました。
その日まできっと、写真に対する情熱の火を絶やすことなく、シャッターを切り続けていくのでしょう。