その日の天気と気温が一目でわかる「水槽」

朝、その日の天気を知りたいとする。

画面のはしっこに各地の予報が永遠と流れるテレビ番組。タップひとつでごていねいに週間予報まで現れるスマホ。もう、それがスタンダード。

知りたい情報がひと目でわかる。それはそれで便利。けれど、同じ情報でもこの伝わり方は、どこかアナログの良さを残している気がしてならない。コンセプトは、とんでもなくハイテクなんだけどね。

© Weather Cube

もしかしたら近い将来、

熱帯魚のように“天気を飼う”

なんてことになるかもしれない。

水槽の中の水が
天気によって変化する

立方体の水槽に入っているのは、変哲もないただの水。魚もいなければ水草すらない。

でも、この水槽のなかで確かに息づいているものがあるとするならば……それが天気だ。ちなみに上のイメージ画像は、晴れている日の状態を表している。

© Weather Cube

ところが、雨が降るとこの通り。水槽上部から、ぽたりぽたり。まるで本物の雨のように水滴が落ちてくる。これが、Weather Cubeというプロダクトの特長。ちなみに、水槽の表面には天気と時間が表示される設計のようだ。

天気を飼うかのような感覚は、この容器に由来するところが大きい。とは言ったところで、餌をあげるわけでもなければ、こちらに懐いてくれるわけでなし。

それでも、天気とともに毎日を過ごしているような感覚になれるんじゃないだろうか。

© Weather Cube

晴れの日と雨の日、水槽内で起こる反応の差は歴然。窓のない場所にいたとしても、外の様子をうかがい知ることができそうだ。

© Weather Cube

教えてくれるのは雨天だけではない。風の日には波が立ち、霧の日には水槽の中にもモヤが立ち込める。ここにあるのは、単なる天気予報ではなく、屋内でも天気を体感し、空模様とともに生活する新たな日常。

Weather Cubeは、まだコンセプト段階。だから情報もこれだけ。

なのになぜだろう。

スイッチを入れれば、画面をタップすれば手に入るはずの情報よりも、梅雨の今時分、窓から見上げた空に聞く「今日は晴れるかな?」、あの根拠もない単なる自分への説得のような曖昧さが、開発段階のWeather Cubeと重なって愛おしく思えてしまった。

なお、市販されるかはわからないけれど、東京にオフィスを構えるデザインユニット(HitomiSato & Shoyu)は、実現化に向けて一緒に取り組んでくれるエンジニアを求めている

Top photo: © Weather Cube
Reference: HitomiSato, Shoyu
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。