学校がなくなった福島・飯舘村に、笑顔を取り戻すための「ダンボール迷路」

福島県飯舘村は、東日本大震災で深刻な避難区域に指定され、2010年に6209人いた人口は41人までいなくなってしまった。

2017年3月31日をもって全避難指示が解除され、2018年5月31日現在、5777人まで回復。しかし、いまだもって全7校あった教育施設は移転したままで、ようやく1校が開校したところ。子ども達のためのイベントもない。

そんな飯舘村に少しでも元気を取り戻すべく、先日7月21日(土)に、1日限りの「ダンボール迷路」が作られた。

道の駅に
巨大なダンボール迷路

©2018 までい館 子ども向けイベント実行委員会

2017年の夏、まさに東日本大震災復興の拠りどころとしてスタートした「いいたて村の道の駅までい館」。

その広場に現れた巨大なダンボール迷路は、既成品ではなくこのイベントのためだけに設計されたもの。当初15m×15mだったところ、この夏の暑さを考慮して、少し小さめになったという。

沿岸部や福島市の
子ども達にも来てほしくて

©2018 inagaki masanori
「までい館 こども向けイベント実行委員会」代表の林直史さん

「企画したのは、僕たち『までい館 こども向けイベント実行委員会』という任意団体です。メンバーのなかにはこの付近で移動販売をしている者がいて、実際に肌でこういったイベントを求める住民のみなさんたちの声を聞いていました。この村に子ども向けのイベントがなく、教育施設もほとんどないことを知っていたので、なにか子ども達を喜ばせることができないか、という思いでプロジェクトが始まったのです」

と、実行委員会代表の林直史さん。

「この道の駅は、福島市と南相馬市を結ぶ道路にあります。飯舘村の子ども達だけではなく、沿岸部や福島の子ども達も来てくれたらいいなと思って企画しました」

©2018 inagaki masanori

ダンボールで
クリエイティブに遊ぶ

©2018 inagaki masanori

ダンボール迷路の難易度は、3種類。

一番難しい水色の迷路は、気温が低ければ中央部分も使ってさらに難易度を上げる予定だったものの、夏真っ盛りだったこともあってこの形に。オレンジを1分以内にさっとこなせるのがわかると、真っ先に緑、青に飛び込んでいく子ども達が印象的だった。

ちなみにダンボールの場合、組み替えが簡単だというメリットもある。実際にやってみて簡単すぎるところや難しすぎるところに手を加えることができるそうだ。

©2018 inagaki masanori

さらに、ダンボールで出来ることは、迷路だけでもない。ダンボールクラフト体験も人気だった。

「業者に問い合わせたところ、テーブルやおもちゃ用のダンボールにも取り組んでいたので、いろいろな形でダンボールで遊んでもらえるような広場にしました。手も頭も動かすことができて、クリエイティブに遊べるかなと」

1日も早く「つながり」を

©2018 inagaki masanori

「東日本大震災によってバラバラになってしまった子ども達同士のつながりを、もう一度つなげたい、という思いでやっています。子ども達の居場所が、まだまだないのが現状なので」

と林さん。

飯舘村の子ども達が、一日も早くつながりを取り戻せるよう願ってやまない。

イベント名:「みんなであそぼう!つくろう!ダンボールパーク」

開催日:2018年7月21日(土)
開催場所:福島県 いいたて村の道の駅 までい館

Top image: © までい館 子ども向けイベント実行委員会

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