刻々と表情を変える不思議な沼 福島・裏磐梯「五色沼」
福島県・裏磐梯(うらばんだい)。ここに絶景スポットのひとつ「五色沼」があります。磐梯山の噴火により、火山性の水質が流入したこの湖は、季節や時間、天候、見る角度によってさまざまな色合いに変化し、訪れる人たちを魅了します。
一日として、
同じ色には出会えない
磐梯山の噴火によって、大小約300の湖沼ができたと言われている裏磐梯。なかでもこの五色湖周辺は、四季を通して、また朝夕でも繊細に表情を変える水色が人気。その名の通り5色、いえそれ以上の色合いに変化し続ける不思議な湖沼なのであります。
ところで、この「五色沼」という名前。じつは桧原湖南東に点在する十数個の湖沼を総称しての呼び名でもあります。五色沼で最大の「毘沙門沼」。コバルト色の水面に、荒々しい磐梯山の火口壁がくっきり浮かび上がることも。沼に覆いかぶさるように生息するイタヤカエデ、ハウチワカエデが真紅に色づく晩秋、水面を真っ赤に染め上げることからその名がついた「赤沼」。このほか、「瑠璃沼」「弁天沼」「柳沼」「青沼」「深泥(みどろ)沼」と、水面の美しさを配した名前で親しまれています。
磐梯山噴火がもたらした“奇跡の水色”
さて、それぞれの沼の色が異なる理由は、磐梯山が噴火した際の鉱物質の溶け込み方が、沼ごとに微妙に違うから。水中の微粒子の大きによって、これだけ色の変化を見せてくれるようなのです。
遊覧ボート乗り場もある「毘沙門沼」は、観光客が最も多く集まる人気スポット。
湖面がくっきり見えるほどに澄んだ水。まるで鯉たちが宙に浮いているようですね。ところで、この毘沙門池には「出会えば恋が成就する」と言われる、お腹に♡のマークを持つ白い鯉がいるんだそう。
もみじ嵐の木々と刻々変化する水面とのコントラスト。やっぱり、一番の見どころは紅葉の時期でしょうね。
寒く厳しい会津の冬。山々を白く染め上げる雪の日、湖沼は群青色に。
2016年1月下旬の猛烈な寒波の影響で、五色沼は現在ほぼ凍結中の様子。雪解けのシーズンが待ち遠しいですね。