切るたびに絵も味も違ってロマンチック。福島・会津の「Fly Me to The Moon 羊羹ファンタジア」——日本のかわいいおみやげ#18

切るたびに絵柄が違うなんて、素敵じゃないですか?

福島県会津若松市にある老舗の和菓子店・長門屋のようかん、「Fly Me to The Moon 羊羹ファンタジア」の話です。

しかも、切り分けられたようかんを並べると、あるストーリーが浮かび上がってくるのです。それを、じーっと眺めていたら、なんだかようかんの中に吸い込まれてしまいそうになりました。

最後まで飽きずに
食べてもらえますように

創業1848年の老舗・長門屋では、以前から福島県産の材料を使った美味しいお菓子を作り続けてきました。しかし、2011年の東日本大震災以降、長門屋のある福島県の西部・会津地方は、風評被害に苦しむことに。その影響で、県産をアピールするのも厳しい状況となり……。

それを打破するために、従来の技術と融合させて何かおもしろいことができないか。そんなことを考えていた時、六代目の鈴木哲也さんはお客さんのこんな声を耳にします。

「ようかんがとても美味しいんだけど、大きいから一本も食べきれなくて、いつも冷蔵庫にしまったまま美味しくなくなってしまう」

せっかく一生懸命に作ったのに、それでは悲しいなと思って、それならむしろ「切るのが楽しくなるようなものを作ろう」と思ったそうです。そうすれば、最後まで飽きることなく食べてもらえるんじゃないかって。それから1年ほどかけて試行錯誤の末に出来たのが、「Fly Me to The Moon 羊羹ファンタジア」なのです。

©2019 株式会社長門屋本店 All Rights Reserved.

切るたびに違う絵柄が現れるこのようかんは、一羽の鳥が、小さかった翼をだんだんと大きく広げて満月へと向かい飛んでいくストーリーになっています。なんと、景色も少しずつ暗くなって、夜の帳が下りていくという素敵な演出も。味も、切るところによって微妙に違います。

トップとボトムスには小豆を使ったようかんになっているのですが、ボトムスは、少しずつ変化していく山並みが表現され、トップのようかんの中には、クランベリーやレーズン、会津産鬼クルミなどが混ぜ込まれています。

その間の透き通った部分はシャンパンを使ったようかんで出来ていて、そこに浮かぶ月と鳥の部分はレモンのようかんになっています。

©2019 株式会社長門屋本店 All Rights Reserved.

アジアのデザイン賞を受賞した
パッケージもとっても素敵

中身のようかんが美味しくて素敵なのはさることながら、パッケージも気になりました。これは、福島県出身の日本画家・舛田玲香さんにお願いして描いてもらったものなんだそうです。

以前、長門屋の鈴木さんが舛田さんに会った時、「震災の影響を跳ね返すようなことをやっている」と話すと、舛田さんがその想いに共鳴し一緒にお仕事をすることに。なんでも、県の東部・浪江町にあった舛田さんのご自宅や作品は津波で流されてしまっており、彼女自身も何かできることを探していた時だったのだとか。

「“月と鳥”というテーマだけを伝えて描いてもらったんです」

というパッケージは、ようかん自体もそうであるように和と洋のテイストが雑妙な具合で混ざり合い、素敵な世界観をさらに盛り上げてくれます。食べ終わった後も、小物入れとしてとっておきたくなるかわいさ。

グローバルに活躍するデザインプロフェッショナルを審査員に迎え、アジア内の優れたパッケージデザインを評価する、アジアで唯一のパッケージデザイン賞「TOP awards Asia」で、2019年11月のwinner awardにも選ばれたんだそうですよ。

©2019 株式会社長門屋本店 All Rights Reserved.

「Fly Me to The Moon 羊羹ファンタジア」は、本家長門屋の本店と七日町店で購入できますが、人気で売り切れてしまうことも多いので、事前に予約をしてからお店に伺うほうが確実とのこと。

紅茶や、ワインに合わせるのもおすすめとのことですが、新年のワイン会に持参したら、あまりのセンスの良さにみんなを驚かせてしまいそうです。

「本家長門屋 本店」
住所:福島県会津若松市川原町2-10
TEL:0242-27-1358
営業時間:9:00~17:00
定休日:年末年始を除き、年中無休
公式HP:http://www.nagatoya.net/home

 

「本家長門屋 七日町店」
住所:福島県会津若松市七日町3-30
TEL:0242-29-7070
営業時間:9:30~17:30
定休日:年末年始を除き、年中無休
公式HP:http://www.nagatoya.net/home

 

【オンラインショップ】https://shop.nagatoya.net/

Top image: © 2019 株式会社長門屋本店 All Rights Reserved.
うなずきながら話を聞く人のことを就活生界隈で「赤べこ」といっていたり、新宿駅にバッグから赤べこのストラップをぶら下げた“オシャレ女子”がいたり、なんだか最...
北海道の“かわいいおみやげ”の代表格「小熊のプーチャンバター飴」。大正十年(1921年)創業の老舗「千秋庵」の「北海道らしいかわいい熊の飴を作りたい」とい...
熊本出身の私が、東京の友人への熊本みやげで必ず買っていくのが、「阿蘇の草原とぶ牛クッキー仔うしビン入り」。“いわゆる熊本銘菓”などもおみやげの選択肢にあが...
パッケージで微笑む女の子がかわいい福岡の「お子さまめんたいこ」。出汁が効いた唐辛子抜きの明太子で、お子さまと言わず辛いものが苦手な人にもぴったり。おにぎり...
今回は3月27日に青山にオープンしたばかりの「cha aoyama」。韓国では大人気の「タルゴナ」が乗ったドリンクを楽しめるカフェが日本初上陸!映えな店内...
三重県津市にあるカステラ専門店 DE CARNERO CASTE(デ カルネロ カステ)が作る「羊のカスティーリャ」。名前の響きからステキですが、カステラ...
冷蔵庫のなかった時代から続く郷土料理には、地元で採れた食材を塩や味噌などを使って保存食に加工したものが多いのですが、福島県の「にしんの山椒漬け」は、遠く北...
カバのマークに、ころんとしたフォルムのカバ型カラメルソースの容器……。静岡・熱海の小さなプリン専門店で作られる「熱海プリン」がかわいいです。
群馬県で世代を超えて親しまれている上毛かるたがモチーフの「上毛かるたせんべい」。伝統的な絵札を線画イラストでリデザイン。原料も素材も群馬県産にこだわり、郷...
北海道・遠軽の「ハナノ工場」は日本初の動物寄木細工専門店。寄木細工というと、少しお堅い伝統工芸品をイメージしてしまいますが、同工場の作品はペンギンやクマな...
新型コロナウイルスの影響により窮地に立たされている地元飲食店を支援するため、渋谷区恵比寿の情報を地域密着型で配信するWEBマガジン「恵比寿新聞」が、テイク...
香川・高松にある「プシプシーナ珈琲」は、自家焙煎のコーヒー豆店。プシプシーナはムーミンの原作者であるトーベ・ヤンソンさんのお母さんが飼っていた猫の名前です...
日本の「国立公園」と聞いてもあまりピンと来ない人が多いかもしれませんが、全国で34ヶ所(2018年10月現在)あり、国土面積の5.8パーセントを占めている...
乙女心をくすぐるお土産、石川・金沢の老舗和菓子店・諸江屋の「オトギクヅユ」。体を温めてくれて、滋養にもいい「葛湯」が、版画風のおとぎ話が描かれた小さな箱に...
大阪の北のほう、箕面(みのお)市の名物といえば、滝と紅葉と、箕面山のちょっとやんちゃなおさるたち。箕面市のローカルビール「箕面ビール」のオリジナルグラスは...
春夏秋冬に土用を加えた「五季」。この5つの季節を発酵調味料(酒、塩糀、酢、醤油、味噌)で表現した、お菓子を紹介します。日本料理の基本となる調味料「さしすせ...
今年1月に英王室からの離脱を発表して、3月31日をもって正式に地位を退いたヘンリー王子とメーガン妃。メーガン妃は王室離脱後初となる仕事として、ドキュメンタ...
スウェーデンの法律事務所「Vinge」が求人のための動画を公開。シャレてる!
静岡・熱海で長く愛されているお土産「ネコの舌」は、口に入れた時の舌触りが猫の舌のようなラングドシャ。かわいいと評判のパッケージは、このお菓子を作る老舗洋菓...
青森と言えば、夏のねぶた祭り。祭りで使う飾りをイメージし、創業安政5年の老舗「上ボシ武内製飴所」が作ったのが「金魚ねぶた」という一口玉ようかんです。餡の中...
岐阜・高山にある「和菓子処 稲豊園」の西側の路地では、猫たちが会議や逢い引きのために、夜な夜な集まってくるそうです。店主の中田さんが、そんな路地裏を行き来...
「子どもに安心して食べてもらえるお菓子」というコンセプトのもと誕生した長野のお菓子「オブセ牛乳」シリーズ。素朴なやさしい味わいとパッケージのかわいらしさが...
岡山県にあるマシュマロ和菓子屋さんが、新ブランド「つるたま」を発表した。元祖マシュマロ和菓子は、明治時代に初代が作りだした「つるの玉子」というお菓子。その...
2月中旬、ロンドンの中心へ、はるばる福島県からやってきた日本人がいた。