死海だけじゃない。イスラエル旅で外せないアクティビティは「バードウォッチング」だ!

中東のシリコンバレーといえば、ご存知イスラエル。では、この国がバードウォッチング大国だということを知っていますか?

じつは世界有数の渡り鳥の中継地で、毎年5億羽近い鳥がイスラエルの空を渡っていくそうです。

ヨーロッパからアフリカへ大移動

©Dafna Tal
©Akiko Terai

それにしても、なぜたくさんの鳥たちがイスラエルにやってくるのか?答えは地理的条件にありました。

ユーラシア大陸からアフリカ大陸へと渡る鳥の飛行ルートの中で、もっとも旅しやすいのがイスラエル経由なんです。

イタリアやスペインをはじめヨーロッパ南部から北アフリカへと渡るには、地中海上を飛び続けなればなりません。また、アラビア半島の南端イエメンから東アフリカに抜けるルートは広大な砂漠地帯が続くうえ、やはり紅海を越えていく必要があります。

その点イスラエルは、ヨーロッパとアフリカを陸続きに越える唯一の道。渡り鳥にとって重要な気流も味方してくれるのがイスラエルルート、というわけです。

豊かな自然は
渡り鳥にとってのオアシス

鳥たちがイスラエルを好む理由がもうひとつ。豊かな自然です。

半日もあれば車で国内を移動できてしまう小国ながら自然が凝縮。ピレネー山脈やガリラヤ湖の湿地帯が広がる北部、東はおなじみ死海、砂漠の広がる南部へと下ればそこは紅海です。つまり、空から地上に降り立って燃料補給ができるイスラエルは、さながら渡り鳥たちの理想のオアシス。

そのためか、南へと下らず定住してしまう鳥も多く、国内で観測される野鳥約500種のうち、じつに半数近くが定住型。なんだか本末転倒な気がしないでもないですが(笑)。

こうなるとバードウォッチャーにはたまりません。移動距離の少ない中で海鳥から山鳥、さらには砂漠に生息する鳥にだって出会える格好の旅先というわけ。実際、世界各国からバードウォッチング目的のツアー客が押し寄せ、イスラエル最南端の街エイラットでは、毎年国際バードフェスティバルが開催されています。

バードウォッチングは
普段着のアクティビティ

©イスラエル大使館
©Akiko Terai

ところで、バードウォッチングと聞くと、野鳥愛好家によるお堅い趣味といったイメージがありませんか? けれどイスラエルにおいてはもっとカジュアル。若者からお年寄りまで幅広く楽しまれているアクティビティです。

なかでも渡り鳥が多く立ち寄ると人気の、北部フーラ渓谷内のアガモン・フーラ湖周辺では、レンタサイクルのほか、ゴルフカートまで貸し出して野鳥との出会いを楽しむ人々がたくさん。

テルアビブ市内でも十分バードウォッチングに浸れます。セグウェイをレンタルして市内の公園をめぐるなんてプランも。春と秋の渡り鳥シーズンともなると、公園でデジカメやスマホを覗きながら空を見上げる人たちで賑わっていますよ。

イスラエルを訪れればどこにいたって珍しい鳥に出会える!旅行の目的は別だったとしても、行く先々で野鳥を探してみてはいかがでしょう。

Top image: © Itamar Grinberg
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。