イスラエルのフードテックスタートアップがつくった「培養うなぎ」の高級日本料理

明日は立春、二十四節気(にじゅうしせっき)の4つの季節の変わり目のひとつ。立春ふくめ、立夏・立秋・立冬それぞれの前の約18日間を“土用”という。

このワード聞いて思いつくのが「土用の丑の日」として、夏にうなぎを食べる日本の風習ではないか。

独特なこの文化の未来を支えるべく、イスラエルに本社をもつ”細胞水産業”のスタートアップ「Forsea Foods(フォーシーフーズ)」が、ニホンウナギの細胞培養に成功し、蒲焼きとにぎり寿司といった高級日本料理に仕上げた試作品を公開した。

©Photography / Anatoly Michaello

現在、ニホンウナギは乱獲により絶滅の危機に瀕している。アジアや欧米での人気が高まっていることもあり、捕獲・供給の規制が設けられたり価格の高騰だったり、不法取引さえも横行しているのが実情だ。期待されるウナギの養殖でも、稚魚の産地偽装や違法なトレードなどもあり、課題は山積みな状態がつづいている。

そこに「Forsea Foods」は新しい可能性を提示して、これまでの培養肉の製造方法と一線を画す「オルガノイド(臓器類似構造体)」技術を使用したニホンウナギの肉をつくったという。

同技術によれば、細胞が食用に適した三次元構造を形成するとのことで、自然なプロセスと同等の培養うなぎの肉を生みだせるに至ったそうだ。この独自の製法により、コストがかさむ成長因子への依存を大幅に軽減でき、効率的でコスパの高い生産が可能になるという。

©Photography / Anatoly Michaello

今回、この培養うなぎが本物と同じような官能特性を具現化できるのを実証するため、ヴィーガンレストラン「菜道(さいどう)」チーフシェフ・楠本勝三シェフとのコラボレーションに取り組み、日本で古くから愛されているうなぎの蒲焼と、うなぎのにぎり寿司を初公開。天然のニホンウナギが持つ身の柔らかさ、しっとりした食感、重厚な旨味を再現しているという。

斬新な技術で培養生産したうなぎは、抗生物質やホルモン剤も使用されておらず、海洋汚染物質の心配もないので、安全で栄養価の高い代替食物の提供にも貢献。

2025年を目処に製品の販売を目標に掲げる「Forsea Foods」。うなぎの最大消費国である日本、およびアジア各地における戦略的パートナーを現在探している最中だそう。さらには欧米も含めた世界規模での展開を見据えている。

© Forsea Foods / YouTube

『Forsea Foods, Ltd.』
【WEBサイト】www.forseafoods.com

Top image: © jazz3311/Shutterstock.com
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。