スポーツライターが「クライミング」を初観戦したら、マジでハマった!
スポーツクライミング日本代表・土肥圭太選手に話を聞いて、このスポーツの何たるかを知った。「ROCKY品川店」でボルダリングを楽しむ流行に敏感な人たちの話を聞いて、このスポーツの可能性を大いに感じた。
そして8月。スポーツライターである自分と、これまで共に取材を続けてきた古くからの付き合いである担当編集Yは、「クライミング世界選手権」を目撃するため八王子を目指した。以下は、初の生観戦を終え、興奮を隠せない二人の声——。
「とにかく運営がよくできてる!!!」
ライター細江(以下H):いやあ、Yくん。無事に終わったね。クライミング世界選手権。
担当編集Y(以下Y):ですね〜。この企画に乗っかって初めて生観戦したんですけど、ヤバかったですマジで。思った以上に興奮しました。
H:同じく。
Y:僕は大会3日目の「ボルダリング」男女準決勝・決勝を観に行ったんですけど。
H:俺たちの土肥くん、なんと5位!
Y:いやー、超興奮しましたよ。だってずっと2位で、「もしかしたらメダル!?」って思ってたんですから!
H:俺は行けなかったんだけど、Yくんから「土肥くんがヤバい!」ってLINEがバンバン来てウザかった。こっちはYouTubeのライブ中継で観戦してたってのに。
Y:すみません(笑)。でも、何が面白いって、僕がエラそうに言うのもアレですけど、とにかく運営がよくできてるんですよね。ボルダリングは4つの課題にチャレンジして獲得したポイント数で争われるんですけど、準決勝は4選手が同時に出てきて4つの課題に挑戦するんです。
H:うおー!アイツがあの課題クリアした!とか、うおー!今度はアイツもクリアした!とかってことね。
Y:決勝は一人ずつですが、順位が目まぐるしく変わる。だけど、リアルタイムで大型ビジョンに表示されているからわかりやすくて。
H:確かに、アレはドキドキするわ。しかも、そのビジョンが舞台裏の選手たちには見えていないのもポイントだよな。選手たちは、歓声の大きさで「ああ、あのパートをクリアしたんだ」ってことを読み取るわけ。
Y:土肥くんが言ってた通りですね。会場内ではMCと解説者が状況を細かく説明してくれたり、光と音の演出も素晴らしかったので、シロウトでも十分に楽しめました。僕、興奮して叫んじゃいましたもん。「どっひーーーーー!」って。
H:土肥くんて「どっひー」って呼ばれてんの?
Y:いや知りません。
H:一回インタビューしただけで馴れ馴れしいヤツだな。
「やっぱり、日本人選手の頑張りには心を打たれる」
Y:細江さんは何を観たんでしたっけ?
H:大会のクライマックス、10日目に行われた「コンバインド」女子決勝だね。コンバインドは「複合」という意味で、「ボルダリング」と「リード」、それから「スピード」の3種目の総合ポイントで争われるヤツ。
Y:東京オリンピックはその形式で行われるんですよね。
H:そうそう。だから、かなり注目度が高かったよね。日本人選手にとっては最上位者が東京五輪出場に内定するという“副賞”があったから、緊張感がすごかった。
Y:男子は楢崎智亜選手が予想どおり金メダル、女子は第一人者である野口啓代さんが銀メダルで東京五輪内定を勝ち取ったんですよね。僕も観ました。興奮したなあ。
H:いやあ、コンバインドは奥が深いよ。競技は「スピード」から始まって「ボルダリング」「リード」の順番で行われるんだけど、順位をそのまま掛け算するのよ。ここがポイント。つまり、3種目とも1位なら「1×1×1」でポイントは「1」。ポイントが少ないほうが上位。この算定方法がすごく面白い。
Y:なるほど〜。細江さん、何回くらい叫びました?
H:俺、もう40歳だから声に出すのは我慢したけど、心の中では何度も叫んだし、何度もガッツポーズしたよね。
Y:我慢する必要ないのに。
H:やっぱり、日本人選手の頑張りには心を打たれちまったわけよ。野口啓代さんの安定感と女王感と野中生萌さんのギラギラ感はカッコよかったし、森秋彩さんがリードを完登した瞬間は「ブラボー!」と叫んだ。もちろん心の中で。
Y:声に出してくださいよ。
H:そして、なんと言っても今回の最大の発見は、アイドルに出会ったこと。
Y:アイドル?
H:伊藤ふたばちゃん。キュートすぎる。
Y:うわ!やっぱり!
H:まだ17歳の期待の星なんだけど、とにかくもう、登っても落ちてもキュート。ずっと笑顔。手を振って笑顔。お辞儀して笑顔。あまりにもキラキラしすぎていて、完全にノックアウトされちまったわ。
Y:細江さん……いいと思います……。
H:だから決めた。男子は「どっひー」こと土肥くん。女子はふたばちゃんを全力で応援する。てゆーか、何より初めて生観戦したスポーツクライミングは、思っていたよりもずっとずっと面白かった。こりゃハマるわ!