スポーツフォトグラファーが現地で見た、サッカー「EURO 2016」。エッフェル塔の色が毎日変わる!

ポルトガル、ウェールズ、ドイツ、フランスとベスト4が出揃い、ますます目が離せなくなってきた「UEFA EURO 2016」。連日寝不足気味で出勤している、なんて人も多いのではないでしょうか?

実はこのフランス大会をもって、EUROの1カ国開催が終了。次回は13カ国での分散開催となるため、世界中のサポーターがこれほどまでに一つの国に集結することは最後になるかもしれません。

ここでは、そんな熱気溢れるパリの風景をお届けします。

スタジアムで受けた
セキュリティチェックは4回!

いまだ記憶に新しい昨年11月の同時多発テロ事件により、緊張と恐怖をぬぐいきれていないパリ。そのため、スタジアムやファンゾーン、人が集まりやすい空港や駅などは「超」がつくほどの厳戒体制で監視が行われています。

今回は客席からの風景を撮ろうと、チケットを購入してスタジアムに向かいました。すると、試合会場に到着してから着席するまでに受けたセキュリティチェックは、なんと4回!もちろん、大きなカメラの持ち込みは禁止。私が普段仕事で使用しているカメラも入り口で預けるハメに……。予備でコンパクトなカメラを持っていて良かった!

あちこちで銃を携えた警官が目を光らせるなど物々しい雰囲気、かと思いきや、サポーターはそんなのお構いなし。だってサッカーを楽しみに来たんだもん!と言わんばかりに、歌って踊ってビールを飲んで大騒ぎ。へべれけになりながらセキュリティチェックを受けている姿に、思わず笑ってしまいました。

持ち帰りたくなるほど
オシャレなカップ

スタジアムで飲み物を購入すると、その日の対戦カードがプリントされたカップで提供されるなど、細かい演出もニクいかぎり。試合中は自国選手を熱烈に応援していたサポーターも、ひとたび試合が終われば近くにいる対戦国のサポーターとハグや握手をして別れる光景が当たり前のように見られ、改めて世界は一つなんだなと実感しました。

実は、子どもたちも戦っていた

さて、盛り上がっているのは、大人だけではありません。なにせ国を挙げての大きなお祭りですから、子どもだって黙ってはいないのです。

パリ市内のエコール(小学校)の給食のメニューは、なんと連日EURO仕様!その日行われる試合の対戦カードがそのままメニューに再現され、各国の名物料理が子どもたちのお腹の中でも対戦しているというわけです。料理名の隣にそれぞれ品質保証のマークやBIOマークが描かれているところが、オーガニックなどの食にこだわるフランスならではですね。

パリのランドマークといえば、エッフェル塔。大会期間中はその前に広がる24.3ha(およそ東京ドーム5個分)もの広さを誇るシャン・ド・マルス公園がファンゾーンになっています。

エッフェル塔をバックに観戦するパブリックビューイングは、感動そのもの。園内は、バーやマクドナルドなど飲食設備も充実。厳重なセキュリテイチェックを受けてから入るので、子どもでも安心しながらサッカー観戦が楽しめます。

エッフェル塔が
勝利チームの国旗色に染まる

ヨーロッパの初夏は日が長いので、その日の最後の試合が終了する頃、ようやく辺りが暗くなります。すると目の前のエッフェル塔が、試合に勝利した国の国旗色にライトアップ。その瞬間、大勢のサポーターから歓喜の声が。異国からわざわざ来たサポーターにとっても、フランス国民にとっても、こんなに素敵で粋な勝利の祝福なんてありませんよね!

さあ、いよいよ準決勝。エッフェル塔は、次はどの色に染まるんだろう?今日の給食で子どもたちは何を食べたのかな?……などと現地に思いを馳せながら、残された試合を楽しんでみてはいかがでしょうか。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。