気が早すぎる「2026年W杯」の話

4年に1度のサッカーの祭典が開幕してから、早いもので10日以上が経過しました。

毎晩のように熱戦が続いていますが、ここで取り上げたいのは今大会のことではありません。かといって2022年のカタール大会でもなく、その次の話。2026年(笑)。

あまりに先のためか、今大会の開幕前日にFIFA(国際サッカー連盟)総会で決定された開催国の話題もスルーされ気味。でも、ある2つの改革によって、これまでのワールドカップとは異なる大会になりそうなんですよ。

01.
史上初の「3カ国共催」

2026年大会の開催国は、アメリカ、メキシコ、カナダ。史上初の3カ国共同開催です。悲願の初開催を目指すモロッコとの争いになりましたが、投票の末に圧勝。

アメリカでは32年ぶり、メキシコでは40年ぶり、カナダでは初の開催。ちなみにこれまでの複数国共催は、ご存知のとおり2002年の日韓大会のみでした。

02.
出場国数が32から48へ増加

現行の出場国数は32。これを48まで拡大することが決定されています。試合数も64から80へ。

あわせて、各大陸に振り分けられる出場枠も増加。日本が属するアジアは4.5から8となり、シンプルに出場の可能性が高まることになります。

とはいえこの決定には、レベルの低下を懸念するネガティブな声が圧倒的多数。3カ国を1グループとすることから、最後に試合をする2カ国が勝ち点を計算した試合運びができてしまい有利になる点も問題視されています(現行の4カ国ではグループリーグ最終戦は同時刻キックオフ)。

そもそもこの3カ国、大丈夫?

誘致段階では「準々決勝以降の試合はすべてアメリカ開催」となっていたことも含め、今後も継続的に議論されていくポイントはあります。が、そもそもこの3カ国で大丈夫なの!?という意見も聞こえてきます。

というのも、ドナルド・トランプ大統領は、依然として不法移民を巡りメキシコと対立中。先日のG7(主要国首脳会議)では、カナダのジャスティン・トルドー首相から、鉄鋼やアルミニウムの輸入制限措置について「侮辱的だ」と非難されたばかりです。

アメリカは、メキシコ、カナダとともにW杯を開催する権利を手に入れた。おめでとう。素晴らしいハードワークだった!
(Donald J. Trump / @realDonaldTrump より引用)

米大統領が自身のアカウントでそうツイートしたのは、非難からほんの数日後のこと。

もちろんFIFAはスポーツへの政治的介入を一切認めていませんが、先が思いやられるという人は少なくないようです。果たして、サッカーの力はこの3カ国を結束させるのでしょうか。

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