料理にかざすだけ。画期的な「アレルギー検知デバイス」

世界的に増加傾向にあるという「食物アレルギー」。この問題に対し、イスラエルのバイオ関連スタートアップが開発研究を続けてきたデバイスに世界の耳目が集まっている。

ハンディタイプの「Allerguard」は、料理の乗ったプレートに近づけるだけで、料理が発する蒸気分子を吸収してアレルギー源となる物質を特定してくれるというもの。

アレルギー検知といえば、食品サンプルを採取して、そこから分析をするもののように思うが、サンプル採取の必要もなく、目の前の料理が発するおいしそうな“におい”や“湯気”(正確には蒸気)をデバイスに嗅がせるだけでAIが化学構造を分析して、食べても問題なしという許容範囲までアレルギー源を特定していくそうだ。しかも、特定までにかかる時間は約30秒というから、料理が冷める心配もなさそうだ。

実際、似たような検出デバイスの開発競争が世界中のバイオ企業で起きている。だが、一般的な検出デバイスの場合、特定の食材や料理をひとつひとつ計測していくのに対し、Allerguardが画期的なのは料理が盛られたプレート全体に解析をかけ、アレルギーの特定に寄与する点。

当然ながら、これは命に関わるデバイス。検知ミスがあってはならない。試作は大詰めでも、実用化にはまだ1年半ほどかかる見込み。販売予定価格は150ドルほどに抑えることを目指しているという。ちなみに、個人のアレルギーや身体情報を登録し、クラウド上で管理するためのICカードも1ドルに設定予定。

必要な人が誰でも手の届きやすい価格。命を守るデバイスとはこうでありたい。

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