今年3回漏らしたわたしから「環境保護活動」のお願い/坂田ミギーの水曜連載「ミレニなのでアル」第十回

一週間のなかで、きっといちばん憂鬱な水曜日に読んでほしい、クリエイティブディレクター・坂田ミギーの水曜連載。数々の広告賞を受賞しながら「アラサー・独身・彼氏なし」の身の上に絶望して世界一周の旅に出た彼女が感じた、知った、気づいた、アレやコレ──。

グレタさんみたいな地球規模の
活動はむずかしいけれど......

みなさんはどんな人がお好きですか?

わたしは好きなタイプを聞かれたら「ごきげんな人」と答えております。

いつでも機嫌がいい人は、まわりにいい空気をつくりだしてくれますから、存在しているだけで超高性能な空気清浄機以上の効果・効能をもたらしてくれます。

もしそんな人が同室にいれば、部屋が明るくなったような気がしますし、寒い日には気温が上がったんじゃない?と錯覚するくらいに、あたたかさを感じます。もはやご利益レベルの影響力がある人、それが「ごきげんな人」なのです。ありがたや、ありがたや。

この逆で、もっとも苦手なタイプかつ、自分がそうならないように気をつけているのは「不機嫌な人」です。

わたしが小学校低学年のころの担任教師はいつもイライラしていて、いたずらっ子を怒鳴りまくっていました。自分が怒られているわけではないのに、日々教師の放つ不機嫌さにストレスを感じ、次第に学校に行こうとするとおなかが痛くなるようになり……それからしばらく不登校になったほどに、不機嫌な人が苦手です。

大人になってからも、周囲にイラついている人や語気を強める人がいると、息が苦しくなるのは変わりません。いまでもたまに下痢をして漏らしそうになるのが、地味にツラいところです。今年はすでに3回、事故がありました……多いなぁ。

そんなおなかの弱いわたしが、とある日、お仕事の打ち合わせに参加したら、不機嫌さ全開の先輩Aさんの姿が。Aさんはなにが気にくわないのか、制作会社の方がいくつ案を出してくれても「なにそれ?」みたいな態度をとりつづけました。参加者全員の心は冷え切り、打ち合わせルームは永久凍土に。

わたしはトイレにすべりこみ、冷えた心とお尻を便座であたためました。

あとからAさんに「きょうはどうしたんですか」と聞いたところ「なめられないように、わざと怒ってみせた」と言うではないですか。他人をコントロールしやすくするために、わざと高圧的な物言いをしていた、と。

おいおいおいおい……なんだ、その理由は。わたしが桂三枝師匠だったら、椅子から三回転半ひねりで転がり落ちるレベルですよ。

自分のコミュニケーション能力が低いことを棚にあげて、立場が上である(とAさんは思い込んでいる)ことを利用して、不条理に不機嫌をぶつけていたわけです。

不機嫌さを撒き散らす人は、たいてい誰かに“機嫌をとってもらおう”としています。「わたしはいま機嫌がわるいぞ。おまえのせいだ。みんな気をつかえ。敬え。構ってくれ。大切にしろ!」。そんな感情が、言葉にせずともダダ漏れしているんですよね。

わー! クソダサーい! 今回コレ系のワードが多くてすみません。でもこんくらいウンコなことです。ウンコのほうが肥料になるだけ、まだマシです。

不機嫌さは、負の感情を巻き起こしはすれども、決して肥料にはなりません。否応なく同じ空間にいる人たちにダメージを与えますから、もはや“不機嫌は環境破壊”なんですよね。

グレタ・トゥーンベリさんにならって地球規模の活動をいきなりするのはむずかしくとも、まずは半径1メートルの範囲から、環境保護活動をはじめてみませんか。

いますぐできる第一歩は「ごきげんでいること」です。

近くに不機嫌をぶつけてくる人がいないだけで、生きやすさは劇的に向上します。あなたがごきげんなら、救われる人もたくさんいます。

たとえば、電車で泣いている赤ちゃんとあやしている保護者がいて、まわりから舌打ちが聞こえたとしても、ごきげんなあなたが彼らに微笑みかけることができれば、それは小さな環境保護活動になるはずです。

とはいえ、そのときの状況やホルモンバランス、病気などによって、誰にだって機嫌を保てないときはあります。

そんなときには、できれば自分で自分の機嫌をとりましょう。そのために「ごきげんになれる方法」を、いくつか持っておけるといいですよね。

わたしは機嫌が怪しくなってきたら、チャイを飲むことにしています。いい思い出がたくさんある飲み物なので、それらを思い出して心を落ち着かせます。そして、もし時間があれば焚き火をしにキャンプ場へ。自然のなかでぼうっと火をながめるついでに、焼き芋とか焼きリンゴとかもつくれますから、ごきげんな自分が取り戻せますぜ。

もう二度とストレスでウンコを漏らさずにすむように、これからもごきげん環境保護をつづけていきたい所存です。あなたも一緒にどうですか?

できることから、ひとつずつ。

坂田ミギー/クリエイティブディレクター

1982年、福岡出身。広告制作会社、「博報堂ケトル」を経て独立。デジタル、雑誌、イベントやCMなどの垣根を越えたキャンペーンのプランニングやディレクションを担当。数々の話題の広告を手がけ、フランス、アメリカ、シンガポール、タイなどの由緒ある広告賞を受賞する日本を代表するクリエイターのひとり。

©2019 NEW STANDARD

『旅がなければ死んでいた』
アラサー・独身・彼氏なしの三重苦を背負った女が、
仕事と恋愛に疲れて家を引き払い住所不定となり、
バックパックひとつで世界を旅するノンフィクションストーリー。
著:坂田ミギー 発行:KKベストセラーズ

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