「NYで一番のコーヒー」が教えてくれること

今、NYに移住して4年になる。

移住当初は、英語が全く喋れなかったというのもあるが、電車に乗るにしても、郵便局で手紙を出すひとつにしても、それまでの東京での生活に比べて実に不便だわぁ、と感じることが多かった。4年経った今でも、慣れはしたものの、不便だなぁと感じることは山ほどある。

あと、とにかくお金がかかる。

なかでも、職人さんに作業をお願いするようなもの――例えば内装工事とか――技術や仕上がりはイマイチで値段も高いときてる。やっぱり人件費が高いんだろうか。

そのせいだけじゃないだろうが、NYは都会なのにDIYが根付いているように感じる。

街のカジュアルなレストランの多くは、オーナーやスタッフがDIYで内装を手掛けていて、そういうクラフト感がある雰囲気がウケている。息子の幼稚園のパパ友なんて、毎日自作の自転車で送り迎えをしている。デザインから、力学的な計算をし、軽量化を考えアルミを削り出してすべてのパーツを作り、自ら組み立てたそうだ。もうこうなってくると、既製品以上のクオリティだ。

そんなNYになかでも、俺が最高だと思っているDIY(?)が、毎朝息子がいれてくれるコーヒーだ。

©DAG FORCE

彼は毎朝、両親のために豆から挽いた美味しいコーヒーをいれてくれる。豆の量、水の量や抽出時間を守り、研鑽を積む愛する息子。

彼が今朝こんなことをつぶやいていた。

「自分で作ったものが一番美味しいよねぇ」

©DAG FORCE

DIYの本質ってそういうことかもしれない。

ちょっと大袈裟かもしれないけど、そういう自分で何かを生み出す行動力やそれにワクワクする気持ちは日々の小さなことに役立つだけじゃなくて、人生を自らの手で切り拓く力につながってるように思う。

誰かに何かをしてもらうのを待ってたら、人生なんてアッと言う間に終わっちゃう!

何かしたいなら、自分でいますぐに動かなくちゃ!

息子がつぶやいた言葉から、どんどん飛躍してやる気が出てきた。

自分で、Do it Do it Do it Do it !!

DAG FORCE/ラッパー

1985年生まれ。NYブルックリン在住のラッパー。一児の父。飛騨高山出身。趣味は、音楽、旅、食べること、森林浴。NYでの日常生活で感じたこと。そこからポジティブなメッセージを伝えていきたい。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。