「サウナって痩せるの?」ダイエット効果をサウナーの医師に聞いてみた

睡眠の質だけでなく、集中力や発想力もアップ。認知症やうつ病の予防効果も期待できる。さらには、肩こり・腰痛の緩和まで!

“気持ちいい”にとどまらないサウナの効果・効能が明らかになった前回の記事

今回はその中でも多くの人が気になったであろう「ダイエット効果」にフォーカス。加藤容崇医師に、より突っ込んだ質問をぶつけてみた。

改めて、このド直球なやりとりから!

加藤 容崇(かとう やすたか)

慶応義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット特任助教・医師、北斗病院・医師、日本サウナ学会 代表理事。サウナ好きが高じて、“ととのう”をはじめとしたサウナの効能を科学的に解明する取り組みをおこなっている。著書『医者が教えるサウナの教科書 ビジネスエリートはなぜ脳と体をサウナでととのえるのか?』が3月6日に発売。

撮影協力:かるまる池袋店

Q.
ぶっちゃけ、サウナで痩せる?
それとも痩せない?

「長い目で見れば、ダイエット効果は十分にあると思います。ただし、サウナ直後のカロリー摂取に気をつければ。

サウナに入って休憩すると、甲状腺ホルモンの分泌量が増えて代謝が上がる。このことはすでに論文で発表されています。代謝が上がれば脂肪は燃焼しやすくなります。加えて、サウナ後は睡眠の質も上がるので日中の活動性、エネルギー消費も上がるでしょう。

ただし、サウナ後は代謝が上がる一方、副交感神経が優位になる。ごはんがとにかく美味しく感じるんですよ。しかも消化・吸収の機能が非常に高まっていて、どんどん自分の肉にしてしまう。

だから、痩せるかどうかは直後の食事次第。サウナ施設のごはんって、めちゃくちゃ美味しいじゃないですか?カレーや豚の生姜焼き、ビール、レモンサワー。『天空のアジト マルシンスパ』に行ったら、絶対に『笹塚チャーシュー』を食べたくなる(笑)。それを我慢できるかどうかにかかっています。

サウナに入ってさえいればたくさん食べても痩せるなんて、そんな魔法のような効果はありませんよ」

サウナ ダイエット効果
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Q.
では、何を食べればいい?

「オススメは沖縄料理です。ラフテーみたいな高カロリーのものではなく、ゴーヤチャンプルーなど香りのいい野菜を使った料理

サウナのあとは感覚機能が向上し、満足感を得やすい。風味をよく感じられるようになるので、カロリーが低く、香りがいい食べものでごまかすのはひとつのテクニックです」

Q.
ダイエットに効果的な入り方は?

「代謝の向上という観点では、空腹状態で入ったほうが効果的です。

甲状腺ホルモンの分泌を指標にすると、この効果はファスティングに近い。ファスティングって、18時間以上何も食べないと、食事によって摂取したエネルギーを使って活動するモードから、体の中に貯蓄してあるエネルギーを使って活動するモードに切り替わるんです。『栄養がこない。ピンチだ』と体が反応するわけです。

直前に食事を取ると、ファスティングモードが解除されてしまうので効果が弱まります」

Q.
水分補給にも注意?

「サウナに入る前、途中、入った後に糖分を摂取するという実験で興味深い結果が出ました。

じつは、サウナの前と途中に糖分を摂取すると甲状腺ホルモンの分泌が増加せず、代謝アップの効果が打ち消されます。サウナの後に摂取するぶんには影響はないのですが。

サウナ途中の水分補給は炭酸水がオススメ。体の冷却効果が高く、水風呂をより冷たく感じられる効果もあります」

まとめ

・サウナ、休憩をセットでおこない、直後の食事でカロリーをしっかりとコントロールする

・満腹時よりも空腹時に入るほうがベター

・水分補給にも注意。サウナ前と途中に糖分を摂取してはいけない。オススメは炭酸水

 

『医者が教えるサウナの教科書 ビジネスエリートはなぜ脳と体をサウナでととのえるのか?』

脳疲労が瞬時に消える!ビジネスのパフォーマンスを最大化する正しいサウナの入り方!

著:加藤 容崇 発行:ダイヤモンド社

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