人魚は実在する?各国の伝説からその正体まで、マーメイドの豆知識

人魚といえば一般的には神秘的で美しいイメージがあります。また、人魚は世界中に伝説として残っており、姿や正体も国によって様々です。

この記事では、人魚の基礎知識や世界の人魚について、また人魚伝説の正体や人魚が登場する映画などをまとめたので、是非最後まで読んでみてください。

人魚に関する基礎知識

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人魚といえば、綺麗な女性で美しい歌を歌う、また怒った時は船を沈没させるといった童話や映画に出てくるようなイメージが強いのではないでしょうか。

世界には様々な人魚が存在し、あなたがイメージしている人魚はその中の一部分なのです。

ここからは人魚に関する基礎知識についてご紹介します。

人魚の姿

主にヨーロッパで伝わっている人魚は、上半身が人間の身体で下半身は魚を併せ持つ姿をしているとされています。また、人魚はとても美しく、プリンセスといわせる程の絶世の美女だと伝えられているようです。

また、神話学者の大林太良さんは、文学的な視点からすると人魚の話は最後まで幸せなままで終わる事はないと考察をしています。

こんなに違う!西洋と東洋の人魚

ここまで人魚は美しい存在であると説明しましたが、実は西洋と東洋では全く異なる存在になります。西洋の人魚は妖精や精霊と考えられ、国によって姿が少々異なりますが、基本的に美しい女性で美声の持ち主であったということが共通しています。

反対に東洋の人魚は、基本的に妖怪や怪物の類として考えられているのです。また、その姿は人間と魚の区別や境目がなく、混ざったような身体をしていて醜い存在といわれています。

実は男性の人魚も存在します

人魚というと女性のイメージが強いと思いますが、人魚にも女性と男性の性別があります。人魚は英語で「マーフォーク」といい、特に若い女性の人魚はマーメイド、男性の場合はマーマンと呼ばれています。

ちなみに「マー」とはラテン語で海という意味です。

マーマンの容姿は、上半身が人間で下半身が魚という点はマーメイドと同じですが、その容姿はとても醜い姿をしていると言われています。また、マーマンは妻であるマーメイドを愛している為、人間がマーメイドに危害を加えた場合は海を荒らして復讐に来るという言い伝えもあるようです。

ご存じですか?6月30日は人魚の日

東欧にあるベラルーシという国の首都ミンクスでは6月30日を人魚の日とし、「人魚の祭り」が行われます。女性が民族衣装を身にまとい、頭に植物の冠をのせて踊る姿が美しいお祭りです。この踊りを人魚の舞とされ、夏至の近くに行われて、花冠を用いることから「夏至祭」と関係があるのではないかと言われています。

福岡に本物の人魚が眠るお寺がある?!

福岡県福岡市に「冷泉山 龍宮寺」というお寺があります。このお寺は、鎌倉時代に人魚を捕えられ埋葬をされたという伝説があり、なんと人魚の骨があると言われています。その骨は本堂に保存されており、応相談ですが一般見学も可能です。その他にも、人魚の生前の姿を現在に伝える秘蔵の掛け軸があります。

世界の人魚伝説6選

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人魚の伝説は世界中にあります。ここからは一般的な人魚、また一度は耳にしたことがあるであろう人魚の伝説についてご紹介します。

1.アンデルセン童話の人魚姫|デンマーク

まず、アンデルセンの童話に出てくる人魚姫のお話しです。

あらすじとしては、海の底に人魚のお城があり、そこに王様と6人の人魚姫が住んでいます。末娘の人魚は他の姉に比べると物静かですが賢く、とても美しい人魚姫でした。人魚姫が15歳になると人間の世界へ行き、とてもハンサムな王子様と出会い恋に落ちるのですそして、人魚は美しい声と引き換えに人間になり、王子様と結婚をしなければ海の泡になって消えてしまうという契約を魔女と交わします。人間の身体を手に入れた人魚姫は王子様と距離を縮めますが、声が出せないために上手く気持ちを伝える事ができません。結局王子様と結婚をすることができず、人魚姫は海の泡となって神様の元へ旅立つのです。

このお話しはほとんどの人魚に関する話の基となっており、この話をベースに人魚と王子様の恋物語が現代にも伝わっています。

2.美しい歌声を持つセイレーン|ギリシャ

セイレーンはギリシャ神話に登場する人魚です。姿は一般的な姿とは少し異なり、人魚に羽の生えた姿や下半身が鳥の姿で描かれているものもあります。セイレーンはとても美しい歌声をしていて、海では船人たちを惑わして船を沈没させるといわれています。そして、歌声に聞き入って近づいてきた人間を襲って食べてしまうという少しゾッとするお話しです。

3.水の妖精ローレライ|ドイツ

ローレライとはドイツのライン川流域にある大きな岩山のことです。このローレライには人魚が出没するという逸話があり、岩山に現れた人魚が歌声によって船を多く沈めたと言われています。歌声で船を沈没させる点についてはセイレーンと同じになります。

4.ケルトで伝承されるメロウ|アイルランド

アイルランドの伝説として語られているメロウ。その姿は上半身は人間、下半身は魚とされています。一般的な人魚を連想させますが、男性の人魚はとても醜い顔をしており出没すると天変地異が起こると言われているので、アイルランドでは不吉の象徴であるようです。また、メロウと人間の間に生まれた子供は、手に水かきがあるとも言われています。

5.漁師のあいだでは不吉の象徴ハルフゥ|ノルウェー

ハルフゥはノルウェーの伝説として残っている人魚です。男性のハルフゥは、他の人魚と違い人間に対して友好的と言われています。しかし、女性のハルフゥは天変地異を起こすとされており、目撃してしまった場合はその人が住んでいる村が不幸になるそうです。さらに、ハルフゥは未来を見通す予言の力があるとされています。

6.人魚を食べて不老不死になった八百比丘尼(やおびくに)|日本

八百比丘尼は人魚を食べたことで不老不死の力を手に入れたと言われている日本人女性です。不老不死を手に入れた代償として家族や友人に先立たれ、永遠にその最期を見届けなければいけないという運命を背負ってしまいます。その後出家して尼になり、日本中を行脚したと言われており、日本各地にそれにまつわる伝説が残っています。

人魚の正体とは?4つの説を紹介

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世界には多くの人魚に関する伝説があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。でははたして人魚はモデルがいるのか、ここからは人魚の正体について特に有名な4つの説をご紹介します。

ジュゴン説

もし何かしらの生物をモデルとしているのであれば、特に有力と言われているのが「ジュゴン」です。この生物は大型で海棲哺乳類、遠くに浮かぶ姿は人魚を思わせます。一部の地域ではジュゴンは神聖化されています。また、ジュゴンの肉はとても美味しいと言われており、不老不死の力や媚薬としての効果があると信じられているのです。

シロイルカ説

シロイルカは体長5mくらいで、体の色は名前の通りに白いです。人魚と勘違いされる原因として、泳いでいる際に脇腹にある贅肉が人魚の脚のように見えるからと言われています。

またイルカには尾ひれがあり、それが人魚と似ていることからこの説が語られているようです。

リュウグウノツカイ説

リュウグウノツカイは深海に生息しているため、幻の魚とされています。このリュウグウノツカイも誤認で人魚と思われていた可能性があります。ちなみに現在でもその生態がほとんどわかっておらず、まだ航海が難しかった時代では現在よりも未知の生物とされていたのでしょう。

フィクション説

これまでに語られている人魚の多くは、神秘的な精霊や怪物だったり常識からは考えられない能力を持っています。美しい歌声で船を沈没させたり、天変地異を起こす力がそれにあたります。このようなことから、人魚の正体は人間によって生み出されて注目を集める為の創作であるという説もあるのです。

人魚に出会える素敵な映画5選

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ここまで人魚について様々な紹介をしてきました。知れば知るほど興味が出てきたのではないでしょうか。実際に人魚に会うことは不可能に近いですが、映画でなら人魚に会うことができます。ここからは美しい世界観を持つ人魚の映画をご紹介します。

1|リトル・マーメイド(1989年アメリカ)

リトル・マーメイドは、海で生活をする人魚と人間の恋の話を描いた、アンデルセン「人魚姫」を基にディズニーが制作した長編アニメーション映画です。また、プロードウェイや劇団四季で舞台化される程の人気作品になります。

映画のあらすじは、地上の世界に憧れている主人公である人魚のアリエル。ある日、嵐の海を航海していた人間の王子エリックに一目惚れをしてしまいます。エリックは海に投げ飛ばされてしまったところをアリエルが助け、海辺で歌を口ずさみながら介抱するのです。その後エリックは目を覚ましますが、はっきりとその時のことを覚えておらず介抱をしてくれたアリエルに惹かれ再会を願っています。アリエルもエリックに恋心を募らせ気持ちが抑えきれず、美声と引き換えに3日間だけ人間になり、3日以内アリエルがエリックとキスを交わすと魔女と契約をします。その後2人は出会いお互いに惹かれていき、悪者に邪魔をされながらも無事結婚をするというお話しです。

2|パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉(2011年)

この映画は2011年、大人気映画シリーズ第4弾として公開されました。

主人公のジャック・スパロウ役はジョニー・デップが演じています。映画のあらすじは、見つければ永遠の命が手に入るという生命の泉を、ジャック・スパロウが元恋人の女海賊のアンジェリカと探し求めます。しかし、国名の銘を受けた英海軍や永遠の命という異教の対象を破壊しようとするスペイン海軍、そして永遠の命を狙う黒ひげ海賊が生命の泉を求めて波乱の航海をするという内容です。

この映画の中でも人魚が登場し、重要なカギを握っているのです。ゴージャスで美しい人魚でありながらなんとも恐ろしい海の怪物に変化して、船乗りたちを海へと引きずり込んでしまいます。人魚を演じる女優の実写とCGが見事な映画です。

3|愛しのアクアマリン(2006年アメリカ)

この映画は青春ファンタジー・ラブコメディになります。恋に青春に悩むクレアとヘンリーは仲良しで親友です。ある嵐の夜に、クレアとヘンリーの前にアクアマリンという名前の人魚が、父親が決めた金持ちの人魚との結婚が嫌で逃れてきたところを2人に発見されます。たった3日だけ人間社会に入ることができ、また太陽が出ている間だけ水に濡れなければ人間の姿になれます。この与えられた3日間で、本物の愛を証明するための人魚の恋をテーマにしたセクシーなラブコメディです。

4|スプラッシュ(1984年アメリカ)

ニューヨークを舞台に青年と人魚の恋を描くファンタジー・ラブストーリーで、ディズニーの映画部門として設立されたタッチストーン・フィルムとして第1作目となった作品です。海に落ちてしまう少年のアランが海の中で少女に遭遇し2人は惹かれあいますが、大人たちに救助されます。それから20年経ち、アランはニューヨークで兄と青果会社を切り盛りする青年になりました。しかし再び海で溺れて気を失いあの時の人魚に助けられるのです。海で身分証を落としてしまい、人魚がアランに届けて再び再会を果たします。

5|人魚姫(2016年中国)

この映画は、公開して11日後に中国の歴代興行収入の第1位を記録し、日本でも2017年1月7日に公開されました。監督は「少林サッカー」や「カンフー・ハッスル」で有名のチャウ・シンチーです。

映画のあらすじは、海辺のリゾート開発の為環境が破壊され、人魚族は絶滅危惧種に瀕します。タコ兄をリーダーとする一族は、リゾート開発の首謀者のリウを倒す為の「リウ暗殺計画」を実行すべく、キュートな人魚シャンシャンを人間に変装させリウとの急接近を試みます。リウは横暴な美人投資家ルオランへのあてつけとして人魚のシャンシャンとデートをするのですが、デートをしているうちにその純真さに惹かれてしまうのです。金の亡者のリウと、彼を暗殺する気になれないシャンシャン。2人の恋とは裏腹に人間対人魚族の戦いが勃発するという他の映画とは一味違う内容になっています。

Top image: © Miquel Llonch / Stocksy United.
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