映画『ゆれる人魚』をみる前に知っておくべき4つのこと。

 

2月10日(日)から全国順次ロードショーとなる『ゆれる人魚』。

ポーランド発の本作はホラー×ファンタジー×ミュージカル×ラブロマンス、いろいろな要素がミックスされた「大人のおとぎばなし」として、公開前からすでに大きな注目を集めています。

今回は、「みてみようかな」と思っているあなたに、その前にぜひおさえておいてもらいたいポイントを紹介します。

 

01.
物語のベースは、
アンデルセン童話の『人魚姫』

 

アンデルセン童話の『人魚姫』は、こういう物語でした。

 

人間の王子様に恋をした人魚のお姫様が、その王子様と結ばれるために人間に変身したものの、王子様の勘違いによってその恋は実らずに終わり、人魚姫は代償として海の泡となって消えてしまう。

 

これをベースとして、主人公の肉食人魚姉妹(姉:シルバー、妹:ゴールデン)が、「ダンシング・レストラン」というナイトクラブを舞台に、少女から大人へ成長していく物語を描いているのが『ゆれる人魚』。

 

 

ある時ワルシャワの海岸にたどり着いた姉妹は、とあるバンドグループに拾われ、そのメンバーの一員に。ステージに上がるやいなや、その恵まれた容姿とパフォーマンス力で、一夜にしてスターになります。

 

 

でも、姉のシルバーがメンバーのベース・プレイヤーと恋に落ちたところから、たちまちふたりの関係はギクシャクしはじめて……。

 

02.
80年代に実存した大人の社交場
「ダンシング・レストラン」

 

「ダンシング・レストラン」とは、1980年代にポーランドで盛んだったと言われる、お酒と音楽と踊りを愉しむ大人の社交場のこと。

社会情勢がかなり不安定だった当時、国全体に退廃的なムードが漂っており、西欧への憧れを抱く国民が多くいたのだそう。そのフラストレーションを唯一発散できたのが、「ダンシング・レストラン」だったのです。

03.
当時の雰囲気を再現したサウンド

 

どこか懐かしさを感じるキッチュなサウンドにも触れずにはいられません。知らない国の、知らない言葉の音楽なのに、そう思えてしまう不思議……。

手がけたのは、いま、ポーランドのインディミュージックシーンはもちろん、世界的に大、大、大注目を集めているヴロンスキ姉妹。

オリジナルサウンドあり、80年代に国内外で大ヒットした曲のカバーもあり。俳優全員がじっさいに歌っているというミュージカルシーンも必見です。

 

04.
監督は、アグニェシュカ・スモチンスカ

 

監督であるアグニェシュカ・スモチンスカは、ポーランドの若手映画作家の中でも一目置かれる存在。長編一作目の本作が、世界中の映画祭で賞を獲得していることからも、その才能は歴然ですね。

母親が経営していたダンシング・レストランのバックステージで育ち(ヴロンスキ姉妹も同じ)、歌手を夢見ていた時代もあったという彼女。

今回は、まだ大人の女性ではない少女のメタファーとして人魚を主人公にしているそうで、みた人に思春期の感情や経験を思い起こしてもらえたら本望だと語っていました。

 

 

『ゆれる人魚』

2018年2月10日(土)より全国順次ロードショー。公式サイトはこちら

 

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。