茨城・大洗に「宇宙港」ができるかも?
そう遠くない未来、こんな施設が、茨城県大洗港のあたりにできるかもしれない。
先日、この「スペースポートIBARAKI」という宇宙港のコンセプトイメージを発表したのは、ガス気球(バルーン)を利用し、成層圏をターゲットとした宇宙開発方式である「スペースバルーン」の事業などを手がける企業、「スペース・バルーン株式会社」。
「スペースバルーン」自体は、すでに各国でも多くの打上げ実績があるものの、主にエンターテインメントを目指した「撮影打上げ」が多いのが特徴だ。
一方スペース・バルーン社では、会社設立後半年で「関東沖での高高度気球による飛行実験」を成功させた後、同種の飛行実験に繰り返し成功しており、この技術を応用・発展させ、今年には有人飛行実験を目指しているという。
同社によって応用開発されたスペースバルーンシステムは、通称「HATBA(High Altitude Transport BAlloon:ハトバ)システム」と呼ばれ、これは、未開拓の宇宙の入り口、いわゆる「成層圏」領域を活用した、地球から成層圏へ「運ぶ」という新規事業。
重量の大きなもの、複雑な構造や弱い構造の精密機器を安全に成層圏へ運び、一定期間、一定範囲を浮遊して地上へ帰還・回収できるこの仕組みを利用すれば、成層圏領域を活用した「宇宙開発の事前実験や実装・実証実験」、「カメラやセンサー機器等を搭載したリモートセンシングによる産業発展への貢献」、「防災活用」、そして「有人成層圏旅行の実現」など、さまざまな分野で、人類の持つ課題を解決し、産業発展や安心・安全な暮らし、夢の実現に貢献できるというのだ。
そして、この事業確立の先にある「究極の夢」、それが「スペースポートIBARAKI」宇宙港構想。
以下は、同社が発表している「スペースポートIBARAKI」のイメージ解説。
太平洋の大海原に向かう大洗港、大洗サンビーチ。
豊かな緑に覆われ、三日月形の弧を描く宇宙港桟橋の真ん中には、20人乗りの大型旅客キャビンを吊るす大気球が出発を待っている。
晴れ渡った空に海からの心地よい風と、子供たちの大歓声が交じり合い、搭乗する人、ビーチから、桟橋から、地上から、ホテルの窓からと宇宙港の様々な施設から見送る人の、それぞれの宇宙への夢を乗せて、自然の大いなる力を借りて今まさに成層圏旅行へと飛び立とうとしている。
もちろん、この宇宙港はまだ「構想」の段階で、実現するかはわからない。
でも、「宇宙旅行」に想いを馳せつつ、まずは、「成層圏旅行」から。なんて未来は確実に近づいてきているのだ。