「木の不平等」という言葉を知っていますか?

道路脇に、公園に、民家に、都市をおおう緑の景観。その木々の本数が、そのまま社会の格差を反映しているとしたら……。

アメリカ森林保護団体「American Forests」が先ごろ公表した指標Tree Equity Score」が興味深い。

この指標は、同団体が独自調査した各都市部の樹木の分布を示したもの。人口密度、木々の茂りを示す樹冠、地表の表面温度、さには雇用人種、そして住民の健康状況を統合し、各地域に十分な樹木があるかどうかを可視化している。

0〜100の指数で算出し、樹木が満ち足りている地域は100、不足するほど0に近くなるスコアとなる。

こうして算出されたスコアをベースにすることで、行政だけでなく専門家や地域コミュニティは、どのエリアに樹木が不足していて、どの程度の量を植える必要があるかを判断することができる。

では、「Tree Equity Score」が都市にグリーンを増やす目的のためだけにあるのか? じつのところ、この指標にはもっと深い意味がある。

くだんの社会格差だ。

「American Forests」によれば、一部の例外をのぞき裕福で白人層の多い地域ほど、樹木で都市が満たされているのに対し、低所得者の多いエリアほど木が不足しているという。移民をはじめ有色人種の多い地域では、白人コミュニティよりも平均して樹冠が33%不足しているんだそう。

樹木の不平等——。これ、単純に多い少ないの話だけでは、どうやら済まないようなのだ。

というのも、景観やリラックスという側面だけでなく、大気汚染物質を吸収したり、木の葉が日陰をつくることで熱中症のリスクを軽減したり、地表面の温度を下げることにも、樹木が一役買っているからだ。

そんな木が持つ恩恵を受けられない人々がいる。社会的格差が、実際に木の数によって現れている。

どの地域に暮らす人々にも等しく木の恩恵が行き渡るべく、「Tree Equity Score」を活用した整備や植樹に期待するアメリカ国民は、決して少なくない。

© American Forests / YouTube
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