「戦争廃材」からつくられたジュエリー

東南アジア内陸に位置するラオス。自然豊かで穏やかなこの国が、歴史上最も空爆を受けた国だということをご存知だろうか?

1964年〜1973年のベトナム戦争中に投下された爆弾は、約200万トンといわれる。平均して1分に8発。これは、第二次世界大戦を通じて使用された爆弾の倍以上の数字だ。

惨劇の地となったラオスには、いまもクラスター爆弾地雷、そして戦闘機の破損片などの残骸が各地に点在。ODAや民間団体の手でこうした戦争廃材の処理が行われてはいるものの、国土の1/3以上ともいわれるエリアに点在する無数の“負の遺産”を完全に撤去するまでには、この先どれだけの時間が必要か。想像することさえできない。

そんななか、戦争廃材をアップサイクルしたジュエリーがヨーロッパを中心に注目を集めている。

©Makuake
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ラオスの農山村部に残る戦争廃材を減らし、村の収入を増やすことを目的にイタリア人アーティストが地域コミュニティと提携して制作するブランド「NO WAR FACTORY」だ。

2017年より、ラオスでもっとも不発弾が多いとされる地域に位置するバンナフィア村とともに活動を開始した同ブランド。廃棄処理の難しいこれらの廃材からアルミニウムを溶かして型に流し込み鋳造。アクセサリーのベースをつくるのは現地の職人たちだ。

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これをイタリアへと運び、最後はトスカーナ州ヴィアレッジョの金銀細工職人の手により仕上げ加工や装飾が施される。シルバーよりも軽いつけ心地で、どんなスタイルにも合うようシンプルな意匠が特徴だ。

とこで、ラオスには核兵器や枯葉剤のような化学兵器は使用されなかったそうだが、製品はイタリアの研究所で分析テストが実施され、放射性元素などが含まれていないことが確認されている。

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アップサイクル商品として廃棄物を減らすだけでなく、戦争の残骸をひとつでも減らすことで、世界から武器や戦争の根絶を目指す「NO WAR FACTORY」。

販売利益の10%は、地雷除去を目的とした国際NGO「MAG協会」、さらには飲料水を作るためのフィルターを現地に届けるチャリティー協会「INKforCharity」へと寄付されるそうだ。

人を傷つけるための道具が、人を輝かせるために生まれ変わる。平和と村の発展に想いを込めたジュエリーこそ、イミ消費の現代において注目すべきアイテムではないだろうか。

「リング」や「ブレスレット」の単体品に「ペアセット」などが揃う。4500円(税込)から。

NO WAR FACTORY

【購入ページ】https://www.makuake.com/project/scuad/

Top image: © Makuake
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