広がりつつある「死の海域」そして、日本にも……。

地球の温度の上昇による海の酸欠状態が深刻化している。

現在、海洋における酸素濃度が極めて低い「酸素極小層」または「デッドゾーン(死の海域)」と呼ばれる海域が世界で拡大中。

米国西海岸やメキシコ湾、そして日本の一部海洋でもデッドゾーンが拡大しているようだ。デッドゾーンが発生した海では、移動できるエビ、カニ、魚がすべて逃げ出し(そして最悪な場合には死に至る)、漁に大きな影響を及ぼす。

今夏、オレゴン州沖合には東京都の面積のおよそ10倍に当たる2万平方キロメートルのデッドゾーンが形成され、深刻な被害をもたらしたようだ。

米国海洋大気庁(NOAA)の研究者であるリチャード・フィーリー氏は、「オレゴン州では、地球規模の気候危機が問題を悪化させています。暖かい水は冷たい水よりも酸素を保持しにくく、デッドゾーンの成長を促進しています。さらに、多くの炭素が海に吸収されることで、水はより酸性になり、その結果、貝やカニなどの生き物が貝殻を成長させるのが難しくなります」と問題について分析。

現在、この問題を解決するために幾つかの対策がなされているが、過去30年間、デッドゾーンは有意義に縮小しておらず、問題解決に繋がってないということだ。

漁業の盛んな日本にとっては、絶対に見逃せないこの問題。まずは多くの関心を集めて、具体的なアクションに繋げることが大切だろう。

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