「3年間で80億匹減少」アラスカのタラバガニが禁漁に
今年、アラスカ州沖のベーリング海で毎年行われていたズワイガニ漁が、初めて禁止となった。
「アラスカ州漁猟狩猟局」によると、同エリアのズワイガニの個体数は2018年の80億匹からわずか3年の間に10億まで減少してしまったという。
水揚げする数が自然増加数を超えている可能性があるとして禁漁措置がとられたわけだが、どうやら急激な減少は乱獲によるものではないらしい。
米国の「海洋大気局」は、重大な理由として気候変動を挙げている。今に始まったことではないが、近年の海水温の上昇が個体数減少を招いているようだ。
ズワイガニは水温2°C以下の海域に生息するが、アラスカ周辺では海氷が溶けるほどに海水温が上昇しているため、繁殖するのが難しくなってきているそう。
ベーリング海で獲れるカニの多くはズワイガニだというから、北米の食用蟹全体が減ることになるだろう。
なお、ブリストル湾でのタラバガニ漁も2年連続で禁止となっている。
言うまでもなく、生息が難しくなっている生物はカニだけではない。上記のズワイガニの減少率を踏まえれば、このままだと「海域すべての生物が全滅」という惨事もあり得る。
地球をアネクメーネにしないために、環境保護への意識をより一層高めていこう。
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