憩いの場「代々木公園」のコピーに込められたメッセージ
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
「代々木公園」が開園した日
東京都渋谷区。
日本が世界に誇る歓楽街、そしてカルチャーの発信源として知られ、近年では区の誘致施策もあって有名IT企業やテック系ベンチャーが拠点を据えるなど、カリフォルニアのシリコンバレーと“谷(Valley)”を含む地名にちなんで「ビットバレー(Bit Valley)」などとも呼ばれるエリアですが、こんなデータがあるのをご存知でしょうか?
区の総面積における緑被率、21.3%──。
「え?あの渋谷にそんなに緑なんてあったっけ?」と意外に感じる人も少なくないのでは?
大都会・渋谷を緑豊かな街にしてくれている存在、それは、ご存知「代々木公園」です。隣接する「明治神宮」と合わせると、その緑地の広さはなんと「東京ドーム」27個分にも及ぶのだとか。
今から55年前(1967年)の今日、10月20日は、そんな代々木公園が開園した日です。
そもそもは帝国陸軍の練兵場だったこのエリア。第二次大戦後、在日米軍の管理化で宿舎や居住区として利用(アメリカ合衆国空軍ワシントンハイツ団地)されていたのですが、1964年の「東京オリンピック」の際に選手村として再整備。
閉会後、「東京の森作りに励もう」という自治体や地域住民の強い思いのもと、都市型の大型公園としてデビューします。
当時、代々木公園には“森林公園”というコピーが使われていたのですが、それは加速する産業の近代化やモータリゼーションの波によって発生する騒音や空気汚染といった公害問題に向けたメッセージが込められたものなのだとか。
半世紀にわたって、木漏れ日と人々の笑顔を絶やすことのなかった憩いの森に住まう木々たちは、今の社会をどう感じているのでしょうか......?