「差別で汚した真っ白なTシャツ」に込められた、優しいメッセージ

「お前に文化なんてないだろ。だって、もともと奴隷なんだから」

これはIsaiah Lopazさんに向かって言い放たれた差別発言。世界各地で起きている社会問題に耐えきれなくなった彼は、あるアクションを起こしました。

真っ白なTシャツを
あえて差別表現で汚す

ロサンゼルスで生まれ育ったLopazさんは、ベルリンが「ゲイが生活しやすいメッカ」と聞き、20代半ばで渡独を決意しました。

「きっとドイツでは誰もが自由なんだ」と期待に胸を膨らませていたものの、彼の想いは儚く消えてしまいました。

今でこそ多様な人で溢れるベルリンですが、当時はアフリカ系の人種が少なく、街を歩いているだけでもジロジロと見られたそうです。

ロサンゼルス育ちと言っても疑われる。両親のルーツはアフリカのどこなのかと必要以上に聞かれる。スーパーでも「クスリを売ってよ」と言われる。Lopazさんが体感したベルリンは、差別が蔓延していました。

「ベルリンの人たちは人種差別に驚くほど無関心だし、無自覚に人を傷つけるんだ。『人種』というテーマの話題も嫌がられるような印象だよ」

「で、本当はどこから来たの?」

Lopazさんが社会の病気とも言える問題に対抗する手段として選んだのは、Tシャツでした。自身が体験した差別表現をプリントするプロジェクトを始めたのです。

しかし、本当のメッセージはレイシストに向けられたものではないとLopazさんは言います。

「これは同じような状況に苦しむ仲間たちのためのものなんだ。今も差別を受けている人たちはいるはずで、彼らに『あなたはひとりじゃない』と伝えたい」

「あなたは黒人だけど、それでもとても美しいと思うよ」

「君がゲイだと思わなかった。だって黒人じゃないか」

「それで、いつ国に帰るの?」

Licensed material used with permission by Isaiah Lopaz
「人権」について考えるための一日にしよう。

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