リアル「アルマゲドン計画」来秋、小惑星に衝突!
いつか、巨大小惑星が地球に向かってくるとしたら……。はたしてそれは「IF(イフ)」の世界の話で済むのか、それとも……。
可能性が0パーセントでない限り、そのIFに備えて万全を期すのが地球人、のようだ。
11月4日、アメリカ宇宙航空局(NASA)は会見を開き、来年予定している「宇宙防衛」の検証実験の内容を明らかにした。計画は、あのSF映画『アルマゲドン』をまさに地でいくもの。
「Double Asteroid Redirection Test(DART)」と名付けられた計画は、地球に迫る小惑星を想定し、その進路を変えるため時速2万4000キロの速度で飛行する宇宙船を、直接小惑星にぶつけるという内容。
今月23日、カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地より宇宙開発企業スペースXの有するロケット「Falcon 9」でDARTの宇宙船を打ち上げ、早ければ来年9月下旬に地球から約1100万km彼方にある小惑星めがけ衝突する予定だ。
ターゲットとなるのは、ディモフォスという名の小惑星。これより一回り大きなディディモスを周回する二重小惑星らしい。衝突で惑星を粉々にするわけではなく、小突く程度。これでどの程度軌道を逸らすことができるかが計画の最大の目的のようだ。
はたして、計画は成功するのか? 2022年秋のニュースに期待したい。
およそ380億円もの費用をかけるに値する実験なのかはさておき、サイズが直径140メートルを超える既知の小惑星で、向こう100年間に地球に衝突する可能性のあるものはないそうだ。ただし、これらの小惑星の40%しか人類は発見しきれていないという。
Top image: © NASA/Johns Hopkins, APL/Steve Gribben