これからの旅のスタンダードって? エバンズ亜莉沙さんと冬の沖縄・やんばるへ

沖縄といえば青い海に白いビーチ! ……も当然いいんですけど、本島の北部にふと目を向けると、そこには「やんばる」と呼ばれる緑の大自然が広がっています。

「やんばるって聞いたことはあるけど、ちゃんと知ったことも、行ったこともない」っていう人も多いのでは?

やんばるには地球上のあらゆる希少な動植物が生息していて、2021年7月には世界自然遺産の登録も決定! でもね、そこには外来種の問題なども深く関わっていて、手放しで喜べるワケでもないんです。

そして向かったのが、冬の沖縄。

それでも気温は20度超えで過ごしやすいし、「冬のやんばる」を楽しむっていうのも素敵な選択肢のひとつ。旅に同行してくれたのは、エシカルコーディネーターとして活躍するエバンズ亜莉沙さん。

いま私たちがしたいのは、ただ一方的に消費する旅ではなく、その土地本来の姿に触れ、学ぶ旅——。

レスポンシブル・ツーリズムやコンシャス・トラベルなんて言葉を使うと少し堅苦しいけど、きっと私たちも、受け入れる側も、両方にとって心地いいのはそういう旅のカタチだと思うんです。

そこはまるで、映画の世界!
生命溢れる「やんばる」へ

今回参加したのは、名護市にある「オリエンタルホテル 沖縄リゾート&スパ」で体験できる冬のアクティビティプラン。なかなか個人旅行でやんばるを体験するのは難しいけれど、こういったアクティビティなら参加しやすいし、沖縄の山って新鮮!

ホテルから車で60分ほど移動し、東村のやんばるへ。

沖縄へ来るとつい海やビーチに目が向きがちだけど、ふと振り返ると背後には壮大なやんばるの森が広がっていて、ディープな沖縄の魅力を教えてくれます。

「学生時代、自然豊かなアメリカ オレゴン州に暮らしていたこともあり、今でも山には特別なエネルギーをもらえる気がします」

とエバンズさん。冬のやんばるは、静かなのにたくさんの生命の息吹が感じられて、気持ちいい。

→行ってみたい!

やんばるが教えてくれた
もうひとつの「沖縄」

ガイドさんのお話が楽しく、散策をしながらついつい勉強になるのもツアーの楽しみのひとつ。

担当してくれたのは、過去にはオーストラリア世界遺産ガイドとして、グレート・バリア・リーフなどの案内もしていた経歴を持つという鳥居信司さん。

「戦後はこのあたりの木を南部に送ってました」
「これが月桃。化粧水にも使われます」
「ドラセナが見えますか? 観賞用で人気です」
「このあたりは島の貴重な水資源なんです」
「ヒカゲヘゴの小判のような柄が見えますか?」
「やんばるにはイタジイの存在が欠かせません」

などなど、ここには書ききれないくらい、歩きながら聞かせてくれるやんばるの知識と雑学がどれもおもしろくて、今まで知らなかった沖縄の姿が紐解かれていくような感覚に。

あぁ、沖縄にはこういう一面もあったんだなぁ。

真剣にガイドさんの話を聞きながらも、笑顔でやんばるの散策を楽しむエバンズさん。

やんばるがあって、それが海にも繋がっていて、沖縄の人たちの暮らしにも繋がっていて——。そういう自然との繋がりを感じることができました。当たり前かもしれないけど、“人も自然の一部” 。生き物にはそれぞれに役割があって、お互いに支え合って生きているんですよね。

「また、ここに来たい」と思える
環境保全活動も体験!

ツアーの終盤「たんぽぽみたいに見える足下の花は、実はハマグルマというアメリカの外来種です」とガイドの鳥居さん。

アメリカハマグルマは繁殖力がすさまじく、あまりにも量が多くなりすぎて、沖縄全域で問題視されている外来植物だそうです。

ツアーでは、そんなアメリカハマグルマの除去も体験します。

こうやって少しでも体験できると、旅から帰ったあとも「今やんばるってどうなってるかな」って気になったり、なにげないニュースも理解できるようになるのが旅の魅力ですよね。

せっかく沖縄を楽しむなら、想い出をもらうだけじゃなく、こういう地域貢献を通して少しでもその土地にとっていいアクションを残したいなと思いました。それって自分にとってもいいことだし、自然を学ぶ大切さを身をもって体感できました!

→詳しく知りたい

初めて触れた
沖縄産のコーヒー豆!?

このツアーの最後には、さらにおまけが!

集合場所でもある「又吉コーヒー園」で、完全オーガニックな国産コーヒー豆の生産現場が見学できること。ブルボン種が栽培されていて、ちょっと実をかじってみると、予想外の甘みとフルーティさに驚きます。

他にも、同じ施設内で栽培しているシナモンやシークワーサーの葉の香りを体験できたりと、従来の観光ではなかなか味わえないことばかり!

最初から最後まで、自分の人生経験に厚みが増すような、やんばる体験。

「コーヒー豆って地球の反対側で生産しているようなどこか遠いイメージがあるけれど、改めて誰かの手によって大切に生産されて自分たちの元まで届いているんだなって意識するきっかけになりますよね。オーガニックの国産豆に出会えたことも嬉しいです!

こういう体験をしたあとって、普段自分たちが口にしているものがどこから来ているものなのか想像を膨らますことができます。だからこそ感謝の気持ちが持てたり、よりおいしく感じたり。沖縄のコーヒー豆から、世界が広がっていく——そんな経験、やっぱり素敵ですね」

 

家族みんなで世界自然遺産の森を体験できる
「やんばるレンジャーツアー」って?

今回、エバンズ亜莉沙さんがやんばるの森で体験した「自然保護活動」に通じるアクティビティプランは、子どもと一緒に家族みんなで体験するのもオススメです。いつもの観光とはひと味ちがう、その地域の本来の魅力に触れるプライスレスな時間を過ごしてみては?

→詳しくはコチラ

名護の海も
少し違った景色に見える

やんばるの森を知ると、また沖縄全体のイメージや、海の大切さにも目が向くようになるはず。

観光から少しその先に踏み込んで、自分の体験を通してコミュニケーションをとることで、その土地や街との関わり方はグッと変わり、今までの旅よりもその地域に愛着が持てるようになる。

それこそがきっと、これからの「旅」のスタンダードなんでしょうね。

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