NBAに存在しない、バスケットボール史上もっとも偉大なチーム
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
ハーレム・グローブトロッターズ・デー
(Harlem Globetrotters Day)
アメリカバスケットボール史において、もっとも偉大なチームはどこか?
オールドファンなら、50〜60年代にかけてNBAファイナル8連覇を果たしたボストン・セルティックスに1票。いやいや、史上最多カンファレンス優勝のLAレイカーズに違いない。“神様”マイケル・ジョーダン率いる90年代のブルズも忘れちゃいけない。
とまあNBAの栄光を彩るチームは多々あり、ご贔屓のチームもあるでしょう。が、ここにもうひとつバスケットボールを語るうえで、忘れちゃいけない偉大なチームがあります。
それが、「ハーレム・グローブトロッターズ」。
あれ、NBAにそんなチームあったっけ? と、思った人。まずはコチラをどうぞ。
ハーレム・グローブトロッターズ(Harlem Globetrotters)は、アリゾナ州フェニックスに本拠をおくバスケットボールのエキシビジョンチーム。
このチームのことを知らずに、今日のバスケの歴史は語れないほど、超重要なチームです。というのもハーレム・グローブトロッターズはNBA創設より20年も前。スポーツ性とショータイム性を兼ね備えたエンターテインメントバスケで人気を博してきました。
白人しかプロチームでプレーすることが許されていなかった1920年代のアメリカ。人種差別が根強く残っていた時代に、同チームは全米から才能あふれる黒人選手を集め、プレーで魅了しショーとしても魅せるエキシビジョンゲームを戦ってきました。
初期のころは、“娯楽のバスケ”と揶揄されることもしばしばだったようですが、彼らは決してエンタメだけに特化したチームではなかった。つねに勝利を追求し、セーフティリードがとれるまでは観客の前でおどける姿などは見せなかったそうです。
過去所属した選手を見れば、いかに実力者揃いだったかがわかります。
ブルックリンの伝説的ストリートボーラー、コニー・ホーキンスをはじめ、身長わずか134センチ「ドワーフ界のマイケル・ジョーダン」ことマニ・ラブ。さらにはNBAで最初に黒人選手としてプレイしたアール・ロイド、のちにNBA入りを果たし、1試合100得点で「バスケ界の伝説」と称えられるウィルト・チェンバレン……。
このあたり、ググってみてください。
相当ヤバい面々ですから。
ちなみに、1948年にはミネアポリス・レイカーズ(現LAレイカーズ)と対戦し、これに勝利。アメリカの歴史で最初に白人のプロチームを下したことで、がぜん注目されるように。それ以降、数々と黒人プレイヤーをNBAへ送り込んでいくことになるのです。
人種の壁を打ち破り、肌の色や見た目ではなく才能で評価されるべき。
96年前、ハーレム・グローブトロッターズのこの理念が、バスケットボール界における構造的差別を取払ったことを考えれば、このチーム無くして今のNBAの歴史はなかったと言っても過言ではないはずです。
今日は、そんな彼らを祝福する一日だそうです。