「長旅のすすめ」パリとベルリン直通の高速鉄道が2023年開通。
「フランス国有鉄道(SNCF)」と「ドイツ鉄道(Deutsche Bahn)」が、2023年末に向けて、パリとベルリンを直通で結ぶ高速鉄道を開通させる計画を発表した。
パリーベルリン間は、フランスの国境の街ストラスブールを経てフランクフルトを経由するおよそ1000kmの道のり。所要時間は約7時間となるそうだ。
それでも近年、飛行機よりも圧倒的に時間のかかる電車旅を楽しむ旅行客があとを絶たないそうだ。
背景にあるのは、サステイナブル・トラベル。
2017年に実施されたEUの調査によれば、航空機によるCO2の排出量は全体の13.9%を占めることが明らかになった。こうしたことを受け、旅先での移動手段に人々が環境負荷が少ない選択をし始めている何よりの証拠だろう。
どんな移動手段を使って、どのように目的地へと向かうのか? いま、旅行そのものが大きく変わろうとしている。
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SNCFのCEO、Jean-Pierre Farandou氏は、「euronews.travel」の取材にこう持論を唱える。「鉄道を利用することは、交通と環境保全を和解するための一つの方法だ」と。
戦後、新幹線の登場や高速道路の拡張を機に、陸に空に、高速の移動手段が当たり前となった日本。それでも、国土交通省によれば、鉄道の二酸化炭素排出量は自家用車、バス、飛行機と比べ圧倒的に少ないという結果もある。
利便性やスピードもたしかに重要。ただ、これからの旅はいかに環境に負荷をかけずにその“道程”を楽しむことができるかがスタンダードとなるに違いない。
駅弁を開いて鉄道で長旅をしていたのが、じつは他の移動手段よりもエコフレンドリーだったということを、今あらためて実感する。
Reference: 運輸部門における二酸化炭素排出量
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